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中国からの輸出受注、7年ぶりマイナスに


ニュース その他分野 作成日:2008年9月24日_記事番号:T00010465

中国からの輸出受注、7年ぶりマイナスに

 
 経済部が23日に発表した統計によると、8月の中国(香港を含む)からの輸出受注額は、前年同月比8.38%減の79億6,600万米ドルとなり、2002年2月(マイナス5.01%)以来約7年ぶりのマイナス成長を記録した。台湾の主力産業で製品が中国製に取って代わられる傾向が進んでいることに加え、世界的な不景気が原因とみられる。米国の金融不安から今後消費の落ち込みが予想されており、台湾の輸出に悪影響が出ることは必至だ。24日付工商時報などが報じた。

 
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 経済部の黄吉実統計長は、中国からの受注額縮小について、「これまで台湾からの輸入に頼っていた機械や材料を中国が自国で生産する傾向が進むなど、複数の主力産業で受注が減少したことが主因」と分析している。さらに「欧米市場から液晶テレビの受注量が減ったことが、台湾から中国への電子部品輸出の成長にも影響を与えた」と指摘した。

 黄統計長はまた、「北京五輪前、台塑集団(台湾プラスチックグループ)は大量の燃料油を中国に輸出していたが、最近は減少しており、こうした五輪効果がなくなったことも一因」としている。
 
 
産業構造の変化加速

 中国からの受注は、今年6月まで長らく前年比2けた成長を続けてきたが、7月に突然1.73%まで落ち込み、8月はついにマイナスに転じた。下落幅は01年11月以来最大だ。統計によると、8月は日本からの受注は前年同月比22.38%増、欧州からも同11.39%増と依然好調な中、中国からの受注減が際立っており、中台間の産業構造の変化が加速していることをうかがわせる。
 
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全体成長率も5年ぶり最低
 
 一方、日本や米国などからの受注を含む8月の全体の輸出受注額は、前年同月比5.38%増の321億3,000万米ドルとなった。世界的な景気低迷の影響を受け、前年比成長率は新型肺炎SARSの流行した03年6月以来の最低を記録し、3カ月連続の1けた成長となった。

 特に20%近い年成長率を過去1年維持していた電子製品の受注額は、6月に10%を割った後8月は4.23%にまで落ち込んだ。IT(情報技術)・通信製品は、ノートパソコン(ノートPC)で新機種発売が相次いだこと、および低価格ノート(ネットブック)人気により前年同月比12.07%増を維持した。

 今後の見通しについて黄統計長は、「今年の輸出受注額は、通年で前年比約100億ドル増の3,660億~3,700億米ドルとなる。往年のような400億ドル成長は望むべくもない」と悲観的な見方を示した。
 
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