ニュース 電子 作成日:2022年9月15日_記事番号:T00104759
電源装置大手、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は14日、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を主に手掛ける第3世代半導体メーカー、碇基半導体(アンコラ・セミコンダクターズ)が、デルタのほか、▽シリコンウエハー大手、中美矽晶製品(シノアメリカン・シリコン・プロダクツ、SAS)、▽パソコンブランド大手の華碩電脳(ASUS)傘下のIC設計会社、力智電子(UPIセミコンダクター)、▽日本のIDM(垂直統合型の半導体メーカー)大手、ローム──を引き受け先とする第三者割当増資の契約を締結したと発表した。増資額は4億5600万台湾元(約21億円)。業界関係者は、材料、製造、応用先までそろった第3世代半導体の一貫生産モデルだと指摘した。15日付経済日報などが報じた。
碇基半導体は今年7月に設立された。登記上の資本金は7億元、払込資本金は4億元で、デルタグループの持ち株比率は8割。
各社はいずれも、出資額や出資比率を明らかにしていないが、デルタグループは増資後も出資比率7割以上を維持するようだ。
ロームは15日、ワイズニュースの取材に対し、出資額は非公表と答えた。ロームとデルタは4月に電源システム用のGaNパワーデバイスの開発・量産における戦略的パートナーシップの締結を発表しており、今回の出資はその協業の一環で、ロームがデルタの技術サポートを行い、デルタの製品量産化をサポートすると説明した。
ロームは4月発表時、デルタが長年培ってきた電源開発技術と、ロームのパワーデバイス開発・製造技術を組み合わせ、幅広い電源システムに最適な600V耐圧GaNパワーデバイスを共同で開発すると説明していた。
デルタの認証取得
碇基半導体の邢泰剛・総経理は、GaNは高効率で低消費電力という特性があり、エコシステムの発展が著しいと指摘。資本提携で、▽材料、▽コントローラICの設計、▽応用先──などの協力を得て、競争力が高まると説明した。碇基半導体のGaNソリューションは、ディスクリートデバイス(個別半導体)やシステム・イン・パッケージ(SiP)、システムオンチップ(SoC)などの組み合わせで、デルタの厳しい認証を通過している。
SASは、傘下の半導体用シリコンウエハー世界3位、環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)が第3世代半導体材料の研究開発(R&D)に注力している。
力智電子は、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)やアナログICなどを手掛けている。
ロームは、SiCパワーデバイスや、アナログコントローラICのソリューションなどを手掛けている。
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