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奇美電、太陽エネルギーとLEDに重点投資


ニュース 電子 作成日:2008年9月26日_記事番号:T00010532

奇美電、太陽エネルギーとLEDに重点投資

 
 奇美電子(CMO)の何昭陽総経理は25日行われた同社創立10周年の式典で、今後10年は太陽エネルギーと発光ダイオード(LED)の2分野に投資の重点を置くという考えを示した。また、液晶パネルは引き続き投資を行うものの、従来よりも速度を落とすと表明した。環境保護への世界的な関心の高まりの中、有望視される代替エネルギー産業を次の時代の発展の軸足に据える。26日付経済日報が報じた。
 
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式典で得意のバイオリンを弾く創業者の許文龍氏。奇美集団は一貫して環境保護を重視してきたことを強調した(25日=中央社)
 
 奇美電は傘下の薄膜太陽電池メーカー、奇美能源(チーメイ・エナジー)が20億台湾元(約66億6,000万円)を投じて25メガワット(MW)の第1生産ラインの設置を進めており、2009年第1四半期から少量生産を開始、第3四半期には量産に入る。同時に第2生産ラインの設置を開始し、合計の生産能力は50MWとなる。さらに来年中には第2工場の建設計画にも着手する予定だ。

 また、グループ傘下のLEDメーカー、奇力光電科技(チーメイ・ライティング・テクノロジー)は、第1工場でエピタキシャル工程で使用するMOCVD装置を既に50台まで増設した。今年6月時点の報道では、同社はMOCVD装置を3年以内に当初予定の50%増の150台まで増やし、業界最大手の晶元光電(エピスター)を追いかけると報じられた。晶元は今年の段階でMOCVD装置170台を予定している。

 奇力光電は今年上半期の単月売上高は4,000万~5,000万元程度だったが、現時点で既に1億5,000万元を超えた。現在、第2工場の建設を計画しており、将来はLEDチップからパッケージング、さらに上流分野への進出も視野に入れている。

パネル生産、柔軟性高める
 
 一方、パネル分野の投資スピードを減速させる理由について何総経理は、業界の景気見通しが立てにくい点を挙げた。今年は6月以降、それまで好調だった需要が突然悪化し、同社を含むパネル各社は減産を迫られた。こうしたことから、今後は生産により柔軟性を持たせて、不景気時の対応能力を高める考えだ。

 なお、何総経理は同社の9月の売上高は8月より良くなるという見通しを語り、今回のパネル業界の落ち込みは7月が谷底だったという認識を示した。