華碩電脳(ASUS)は第2四半期、台湾ノートパソコン(ノートPC)市場での販売台数が7万8,967台で、シェアを前期から一挙に10ポイント落とし37%とした。同社は低価格ノートPC(ネットブック)「Eee PC」を他社に先駆けて発売し、第1四半期はその効果で圧倒的なリードを記録していたが、部品不足によるEee PCの出荷減と3位のヒューレット・パッカード(HP)によるネットブック投入で、先行メリットが早くも薄れた形だ。29日付蘋果日報が報じた。
部品不足で出荷半減
市場調査機関IDCによると、2位の宏碁(エイサー)の第2四半期の販売台数は4万8,982台で、シェアは前期の18%から23%へと5ポイント上昇。HPは販売台数3万1,108台で、シェア9.6%を15%へと引き上げた。
華碩のシェア低下の原因は、バッテリーや部品不足から同期のEee PCの出荷台数が1万8,000台と前期から半減したことが挙げられる。HPが4月末、ネットブック「HP 2133 mini-note PC」を投入、人気を博したこともマイナス要因となった。同製品を受託生産する英業達(インベンテック)によると、受注台数は月10万~20万台に上ったという。
2位の宏碁(エイサー)も第3四半期にネットブックを投入するなど、このところ有力メーカーが相次いでネットブック市場に参入しており、華碩の第1四半期シェアは「最大瞬間風速」で終わる可能性がある。
景気低迷で目標修正
華碩の林福能業務処副総経理は第3四半期の目標について、「ノートPCは前期比25%増の7万5,000台、Eee PCは3倍増の6万台、合わせて前年比10%増の13万~14万台」という数値を挙げた。6月の時点では、▽ノートPC、9万台▽Eee PC、8万台──、合計17万台を目標としており、景気低迷を受けて数値を下方修正した。また、第4四半期も2けた成長が維持できると予測している。
なお、IDCによると、第3四半期の域内市場は前期比で34%成長が見込まれる。景気低迷による低価格志向から、ネットブックによるデスクトップPCやノートPC市場の浸食が進む見通しだ。