ニュース 電子 作成日:2022年11月10日_記事番号:T00105778
業界の観測によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は米アリゾナ州フェニックス市で建設中の12インチウエハー工場(Fab21)で、2024年量産開始予定の第1期の工場棟には、従来予定していた5ナノメートル製造プロセスではなく、強化版の「N5P(5ナノプラス)」と4ナノを導入する。また米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、消息筋の話を基に、TSMCは数カ月以内に、第2期の3ナノ工場棟の設置に120億米ドルを投じる計画を発表すると報じた。TSMCは地政学的リスクに対応するため、先進プロセスの生産計画を調整しているようだ。10日付工商時報などが報じた。
WSJの報道によると、第2期工場は、第1期工場棟のそばに設置し、26年完工予定だ。月産能力は第1期と同じ2万枚のようだ。
TSMCは9日、アリゾナ工場は第2期として計画している工場棟の一部を、第1期の工場棟と同時に建設し、コスト効率の引き上げを図ると説明した。ただ、第2期の計画はまだ確定しておらず、顧客の先進プロセスの需要などを基に評価するとした。
TSMCのサプライチェーン(供給網)関係者は、第2期工場は、3ナノを導入するだけでなく、4ナノや5ナノの受注が増えた場合に備え、3〜5ナノの混合生産方式を採用すると指摘した。混合生産方式は、南部科学園区(南科)のFab18で23年上半期に初導入される予定で、下半期に3ナノと5ナノで大量生産を開始する。
アリゾナ工場の用地は1100エーカーで、TSMCの台湾工場の面積の総和を上回る広さだ。最大6期に分けて開発する計画とされる。
高雄工場、7ナノ取りやめか
高雄市で建設中で、7ナノと28ナノを導入予定の12インチウエハー工場2基について、半導体業界では、7ナノ導入を取り消し、28ナノと40ナノを導入するとの観測が浮上している。7ナノの生産計画は日本の熊本工場に移すとも指摘されている。
王美花・経済部長は9日の立法院経済委員会の答弁で、「TSMCから(7ナノを)やらないとは正式には聞いていないが、以前ほど急いではいないようだ」と述べた。経済部が高雄市政府とTSMCに確認するとした。
陳其邁・高雄市長は10日、TSMCの工場設置スケジュールに変更はなく、28ナノ工場に先に着工し、国際市場の動向に応じて、製造プロセスを調整すると語った。
TSMCは、高雄工場では車載用で需要の強い28ナノを先に導入すると説明した。魏哲家・総裁は10月の業績説明会で、28ナノ生産能力は計画通りだが、7ナノは稼働率が落ちており、生産能力を調整すると話していた。
1ナノ工場用地、2年以内に接収
TSMCが2ナノメートル以降の先進プロセス工場を設置するとみられる新竹科学園区(竹科)龍潭科学園区(桃園市龍潭区)の第3期区画の開発計画について、竹科管理局の王永壮・局長は、第3期区画の用地は150平方メートルで、90%を占める私有地の接収は2年以内に完了すると説明した。
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