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台湾版チップ法、ASMLとマイクロンが大規模投資表明(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2022年11月17日_記事番号:T00105917

台湾版チップ法、ASMLとマイクロンが大規模投資表明(トップニュース)/台湾

 オランダの半導体製造装置大手、ASMLは16日、新北市に新工場を建設すると表明した。詳細は未公表。ASMLはファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が主要顧客だ。米メモリー大手、マイクロン・テクノロジーも同日、世界最先端の1β(ベータ)ナノメートルの製造プロセスを、2023年に台湾DRAM工場にも導入すると表明した。地政学的リスクから、台湾以外への半導体の生産移転が話題となる中、台湾の優位性を維持するため、行政院は17日、「台湾版CHIPS法」と呼ばれる、企業の先端技術への投資を促進する租税優遇措置、産業創新条例(産創条例)の改正案を閣議決定した。立法院で審査後、23年1月から29年末まで施行する予定だ。17日付自由時報などが報じた。

/date/2022/11/17/00asml_2.jpgシュナイダーモーヌリCOO(左)は、台湾は世界の先進プロセス分野で不可欠のリーダーで、ASMLは台湾の顧客に対するサポートを続けると表明した(総統府リリースより)

 ASMLのフレデリック・シュナイダーモーヌリ最高執行責任者(COO)は15日、蔡英文・総統と会談し、台湾投資を継続すると約束した。同席した行政院の沈栄津・副院長は、新工場は北部で2023年7月に着工する予定で、ASMLにとって過去最大規模の投資になると述べた。

 侯友宜・新北市長は16日、ASML新工場の建設地は、林口区の再開発エリア、林口工一工業区で、第1期の投資額は300億台湾元(約1300億円)以上、従業員は2000人規模になる見通しと述べた。林口工一工業区は面積108ヘクタールで、うち産業用地が67.11ヘクタールを占める。年内に整備が完了し、23年初めにも用地の引き渡しが始まる予定だ。

 ASMLは、今年上半期(1〜6月)に極端紫外線(EUV)露光装置と深紫外線(DUV)露光装置の生産能力の拡大計画を表明していた。台湾には、新竹や台中市、台南市などに工場5基を保有し、従業員は4500人以上だ。

 マイクロンは11月1日から、広島工場で1βナノプロセスのDRAM量産を開始した。サンジャイ・メロトラ最高経営責任者(CEO)は16日、台湾工場にも23年初めに導入すると説明した。マイクロンは世界の従業員が4万人余りで、うち台湾は1万人と最多だ。今後2〜3年で2000人増員する予定だ。

R&D費の控除引き上げ

 産創条例の改正案によると、国際的な半導体サプライチェーン(供給網)で重要な地位を占める企業が先端技術に投資する場合、営利事業所得税(法人税)の研究開発(R&D)費の控除率を25%に引き上げる。最先端製造設備の購入費用の控除率は、当該年度に計上する場合は5%とし、金額に上限は設けない。ただし、研究開発費と設備購入費の合計で、控除額は当該年度の営利事業所得税の50%が上限となる。

 台湾企業ではファウンドリーのTSMCや聯華電子(UMC)のほか、IC設計の聯発科技(メディアテック)、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)などが恩恵を受ける見込みだ。


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