ニュース 電子 作成日:2022年11月22日_記事番号:T00105991
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(モリス・チャン、91歳)氏は21日、TSMCが米国アリゾナ州で建設中の12インチウエハー工場について、5ナノメートル製造プロセスがフェーズ1(第1段階)、現時点で最先端の3ナノプロセスはフェーズ2で、ほぼ確定していると明らかにした。ただ、米国は最先端プロセス「N」から1世代遅れた「N-1」プロセスまでで、最先端プロセス「N」は台湾にとどめると強調した。TSMCは同日、アリゾナ工場の第2期計画は未定だと説明した。22日付経済日報などが報じた。
張氏は、半導体は重要部品だと最近やっと理解し、台湾の半導体サプライチェーン(供給網)をうらやむ人も多いと語った(21日=中央社)
張氏は18~19日にバンコクで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に特使として出席し、帰台後の21日に総統府で開いた成果発表の記者会見で、TSMCが最先端の3ナノプロセスを米国など他国・地域に移転する可能性はあるかとメディアに問われ、アリゾナ工場の3ナノ導入について初めて認めた。
張氏は、TSMCは12月6日にアリゾナ工場の設備搬入式を開催予定で、張氏も夫人の張淑芬(ソフィー・チャン)氏とともに出席すると語った。バイデン大統領など米政府要人を招待したが返事は把握しておらず、レモンド商務長官は出席すると述べた。劉徳音(マーク・リュウ)董事長、魏哲家・総裁が出席するほか、国家発展委員会(国発会)の龔明鑫・主任委員もTSMC董事として出席し、米政府要人と意見交換する可能性がある。
地政学的リスクから台湾以外で半導体を生産する「台湾離れ」の動きについて張氏は、APEC首脳会議でもいくつかの国から、TSMCの半導体工場を設置してほしいと言われたが、それほど多くの国に生産拠点を分散させることは不可能だと述べた。
南科2万枚を移転か
アリゾナ工場は、第1期の投資額が120億米ドル。2023年第2四半期(4〜6月)に設備搬入、同年下半期(7〜12月)に試験生産、24年下半期に量産を開始する計画だ。
業界では、TSMCが米国の新工場で3ナノを導入するのは早くても25~26年で、そのころ台湾では2ナノで量産を開始しているとみられている。
また業界では、地政学的リスクや顧客の要望に応え、TSMCが南部科学園区(南科)の12インチ工場「Fab18」に計画していた3ナノ生産能力のうち、月産能力2万枚分をアリゾナ工場に移転する、TSMCが米国への人員派遣を増やしているとの情報も出ている。
一方、高雄市の新工場建設が遅延しているとのうわさについてTSMCは21日、28ナノ工場は9月末に工事を発注し、整地作業を行い、着工したと説明した。
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