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猫空ロープウエー、近くの送電塔も倒壊の危機


ニュース 社会 作成日:2008年10月3日_記事番号:T00010654

猫空ロープウエー、近くの送電塔も倒壊の危機

 
 相次ぐ台風来襲の影響で支柱を支える地盤が流出したため1日から運行を停止ししている猫空ロープウエーだが、近くに設置されている台湾電力(台電)の高圧送電塔の台座部分でも土壌の流出が発見され、周辺の住民からは、「再び大雨が降って送電塔がロープウェーのワイヤの上に倒れるようなことがあれば大惨事になるのではないか」と不安の声が出ている。

 民進党の荘瑞雄市議が2日、指南宮駅近くに設置されている台電木柵39号送電塔を視察したところ、台座の下方で幅50センチ、長さ20メートルにわたって土砂崩れが起き、台座下部の土壌が完全にむき出しとなっていることが分かった。現場で保守作業に当たる台電作業員によると、台風13号が去った後に土砂崩れが確認されたが、補強が完成しないうちに15号が来襲したという。

 台北市政府の譚国光副秘書長によると、台電は既に緊急補強工事を行っており、「さしあたって倒壊の危険はなく、ロープウエーを運行しても問題ない」と報告したとされる。しかし荘市議は、「台座下の土壌は岩盤ではなく粘土層で、送電塔は泥の上に突き刺しているようなものだ。しかし市政府は専門家に調査を依頼しようともしない」と批判している。

 1日に運休期間を1カ月と発表した郝龍斌台北市長は2日、一転して「再開スケジュールは未定」と発言した。メディアからは、ルートすぐ近くで山崩れが起きたにもかかわらず、台風が去った直後から通常運行を再開したことと合わせ、市長にきちんと情報が上がっていないのではないかとの疑問が出された。

 猫空ロープウエーの運休により、捷運公司では1カ月間で5,000万台湾元(約1億6,300万円)の損失が出る予想で、周辺の小売業者も売り上げも半減するといわれているが、十分に調査して安全を確認してもらいたいものだ。