ニュース 公益 作成日:2023年1月5日_記事番号:T00106807
5日付経済日報によると、雲林県沖で洋上(オフショア)風力発電所の開発を進める允能風力発電(允能ウインドパワー)は、銀行の協調融資団(シンジケート団)に対し、100億台湾元(約430億円)規模の債務減額を要請したようだ。允能ウインドパワーは、新型コロナウイルス流行や天候の影響で、工期が1年以上延びており、費用も大幅に増加しているとされる。台湾の洋上風力発電計画で財政難が明らかになった初めての事例だ。
消息筋などによると、允能ウインドパワーは過去2年、新型コロナの影響で海外からエンジニアが台湾入りできなかったことなどが理由で工事が遅れ、費用が増大していた。これまで株主の追加出資で対応していたが、ついに協調融資団に対し債務の減額を要請したとされる。
協調融資団は4日、允能ウインドパワーは返済意欲を示しているとコメントした。協調融資団は、▽国泰世華商業銀行(キャセイ・ユナイテッド・バンク)、▽中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)、▽玉山商業銀行(Eサン・コマーシャル・バンク)──など台湾6行に、みずほ銀行、三井住友銀行など外資系銀行を合わせた20行以上から成る。
工事延長申請も難航か
允能ウインドパワーは、第1期と第2期の洋上風力発電所に、風力発電機を各40基設置する計画だ。総設備容量は640メガワット(MW)となる。当初、第1期は2020年に、第2期は21年末に設置を完了する予定だったが、新型コロナ流行のほか、基礎構造物(モノパイル)設置時に事故が2回発生したことで工事が遅れた。現時点で設置が完了したのは16基で、計画の5分の1しか進んでおらず、経済部能源局(エネルギー局)などに工事の期限延長を数度申請していた。
エネルギー局は、新型コロナや天候が工期の遅れにどれだけ影響しているかの説明が不十分だとして、1月末までに追加書類を提出するよう最終通告した。仮に延長の日数が足りなかったり、延長が認められなければ、行政契約違反となり、允能ウインドパワーが納めた保証金19億2000万元は減額される。その後改善がみられなければ、最悪の場合、洋上風力発電所の開発権を取り消される。
允能ウインドパワーに48%出資する天豊新能源(スカイボーン・リニューアブルズ台湾)は、パートナーと洋上風力発電開発計画の遂行に尽力しており、それ以外のことについては答えられないとコメントした。
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