ノートパソコン受託生産大手、広達電脳（クアンタ・コンピューター）が9日発表した2022年のノートPC出荷台数は5770万台で前年比23％減少した。仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）は3930万台で31.5％減少した。新型コロナウイルス特需が終了し、下半期から出荷台数に急ブレーキが掛かった結果だ。10日付工商時報などが報じた。

　クアンタの22年連結売上高は前年比13.5％増の1兆2800億台湾元（約5兆5000億円）で、過去最高を更新した。6年連続の1兆元台だ。高単価のアップルのノートPC、MacBook Air（マックブックエア）新製品が貢献したほか、サーバー、車載用電子製品が下支えした。

　22年第4四半期（10～12月）連結売上高は前期比14.3％減、前年同期比3.4％減の3272億2000万元だった。ノートPC出荷台数は前期比18％減の1280万台だった。

　22年12月連結売上高は、前月比5.1％減、前年同月比14.8％減の1063億3000万元だった。ノートPC出荷は430万台で、前月と同水準だった。

コンパル、13％減収

　コンパルの22年連結売上高は前年比13.1％減の1兆700億元で、前年に次ぐ過去2番目の高水準だった。3年連続の1兆元台だ。

　22年第4四半期連結売上高は前期比14.5％減、前年同期比32.4％減の2487億1000万元で、過去2年3四半期で最低だった。

　22年12月連結売上高は前月比10.8％減、前年同月比43.2％減の725億2000万元だった。ノートPC出荷台数は前月比4.2％増の250万台だった。

インベンテック、過去最高

　英業達（インベンテック）の22年連結売上高は前年比4.2％増の5417億5000万元で、過去最高を更新した。ノートPC出荷台数は1980万台で前年比7％減少したものの、サーバー出荷が貢献した。

　22年12月連結売上高は前月比8.6％減、前年同月比22.6％減の403億3000万元で、過去7カ月で最低だった。サプライチェーン（供給網）の在庫調整が響いた。ノートPC出荷は140万台で前月と同水準だった。

23年は慎重見通し

　ノートPC受託生産業界は、23年について慎重な見方だ。第1四半期の出荷台数は前期比2桁減少するものの、インベンテックだけは6月にeスポーツ（ゲーム）用ノートPC受注が増え、第2四半期の出荷台数が2桁成長の見込みだ。

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