ニュース 電子 作成日:2023年1月13日_記事番号:T00106981
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は12日開催した業績説明会で、日本で2基目の工場を検討しており、欧州での車載用半導体工場も評価していると述べた。日本では熊本工場を建設中だ。TSMCは、初期コストは台湾より高いものの、今後5年余りで海外での28ナノメートル以降の製造プロセス生産能力比率は20%以上に上昇すると説明した。13日付経済日報などが報じた。
魏・総裁は、日本で建設中の特殊プロセス工場は、12ナノ/16ナノ、22ナノ/28ナノプロセスを採用し、2024年末に量産を開始すると語った。顧客の需要と日本政府の支援が十分なら、日本で2基目の工場設置を検討すると述べた。
熊本工場は、TSMCとソニーグループ、デンソーなどとの合弁だ。訪台中の熊本県の蒲島郁夫知事らが12日、TSMCの新竹科学園区(竹科)本社を訪問した。
欧州工場計画を巡っては、22年12月下旬の時点で、ドイツ東部ドレスデンに12インチ工場を設置する方向で最終調整に入ったと報じられていた。早ければ24年に着工し、28ナノ/22ナノプロセスを採用し、車載用半導体を生産するとみられている。
23年設備投資、前年以下
TSMCは12日、23年の設備投資は320億~360億米ドルで、過去最高だった22年の363億米ドルを下回ると説明した。内訳は▽先進プロセス、70%、▽特殊プロセス、20%、▽先進パッケージング(封止)やフォトマスクなど、10%──。
研究開発(R&D)費の対売上高比率は8~8.5%へと、22年の7.2%から上昇する見込みだ。
2ナノ、25年量産目標
魏・総裁は、2ナノプロセス開発の進捗(しんちょく)は、当初の予想以上で、24年のリスク生産、25年の量産目標に変更はないと語った。
3ナノプロセス「N3」は、計画通り22年第4四半期(10~12月)末、量産に成功した。魏・総裁は、3ナノ半導体を搭載するスマートフォンは世界的に需要が低迷しているが、半導体の搭載量は増加しており、車載向け半導体の需要は拡大が続いていると述べた。
3ナノ強化版「N3E」は23年下半期(7~12月)に量産する予定だ。TSMCは、N3とN3Eを採用する顧客は多く、量産1~2年目の製品テープアウト(設計完了)数は5ナノの2倍以上になると説明した。
下半期から回復へ
魏・総裁は、23年第1四半期(1~3月)は7ナノ/6ナノ採用製品の在庫調整が前期より深刻化し、TSMCの上半期(1~6月)の米ドル建て連結売上高は前年同期比4~9%減少するが、下半期から徐々に回復すると予測した。V字回復となるかは不明だが、U字回復にならないことは確実だと語った。
通年の連結売上高は小幅成長の見通しだ。
魏・総裁は市場見通しについて、メモリーを除く半導体産業は前年比4%減少し、ファウンドリー業は3%減少すると予測した。消費者向け電子製品だけでなく、データセンターの需要も弱まり始めた。
【セミナー情報です】
指示待ち社員を自立型社員に変える!日系企業の台湾人向け中堅社員研修。セルフコーチング、コミュニケーション、発想法、タイムマネジメントを学びます。2月1日開講。オンライン受講可能。
検索は「中堅社員、2月」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722