ニュース 政治 作成日:2023年1月30日_記事番号:T00107110
蘇貞昌・行政院長(首相に相当)は30日午前、内閣を総辞職した。陳建仁・前副総統(71歳)が行政院長に就任し、新内閣が31日、発足する。行政院は30日午後、新内閣の閣僚等名簿を発表した。外交部、国防部、大陸委員会(陸委会)など対外、対中関係のトップは留任し、蔡英文・政権の安定路線を継続する。民進党は昨年11月に行われた統一地方選挙で、県市の首長ポストを大幅に減らし、蔡・総統の支持率が低迷する中、来年1月の総統選挙を視野に、内閣刷新で政権の立て直しを図る。中央社電などが報じた。
蔡・総統(中)は、陳氏率いる新内閣は、蘇氏(左)が築き上げた土台の上に、市民生活、インフラ、テクノロジーの次のステージを目指すと述べた(総統府リリースより)
蔡・総統は27日、2019年1月から4年間行政院長を務めた蘇氏をねぎらった上で、後任の陳氏について、温かく私心がない人物で、コロナ後の社会を癒やし、人々の生活を支え、団結して国家を発展させるのに最適な人選だと述べた。
蔡・総統は新内閣に対し、▽生活の正常化、新型コロナウイルスの段階的な規制緩和、▽社会福祉の見直し、▽農林水産業のインフラ整備、従来型産業の高度化、▽半導体など戦略産業の推進による台湾のサプライチェーン(供給網)における優位性維持──の4大任務を全うしてほしいと語った。
陳氏は、今後1年余りの任期で▽経済、▽環境、▽社会──のレジリエンス(強靭性)を向上し、台湾全人口2300万人の幸福を守ることが使命と述べた。
陳氏は、台湾で初の無党派の副総統として、蔡・総統の1期目(16~20年)を支えた。公衆衛生などの専門家で、新型肺炎(SARS)が流行した03年に行政院衛生署(現・衛生福利部=衛福部)署長を務め、感染対策に貢献した。
31日に陳・前副総統への引き継ぎ式が行われる。行政院副院長には鄭文燦・前桃園市長が就任する。
蘇・行政院長(中)らは内閣総辞職後、行政院の前で記念撮影を行った(30日=中央社)
オードリー・タン氏ら留任
30日までに新内閣の人事が順次発表され、▽呉釗燮・外交部長、▽邱国正・国防部長、▽陸委会の邱太三・主任委員、▽蕭美琴・駐米代表──など対外関係や国防の主要ポストの留任が決まった。
聯合報は社説で、安全保障や両岸(中台)関係の主要な顔ぶれは変わらず、蔡・総統のこれまでの安定路線の継続を表す人選だと分析した。
このほか、▽王美花・経済部長、▽王国材・交通部長、▽薛瑞元・衛福部長、▽唐鳳(オードリー・タン)数位発展部(デジタル発展部、moda)長、▽国家発展委員会(国発会)の龔明鑫・主任委員──などが留任する。
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