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作成日:2008年10月7日_記事番号:T00010718
資金洗浄疑惑、前法務部調査局長を収監
陳水扁前総統のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑のもみ消しを図ったとして、公文書隠匿罪や機密漏えい罪で在宅起訴された葉盛茂・前法務部調査局長は6日、文書偽造罪とあっせん利得罪などで追起訴され、台北地裁に収監を命じられた。葉被告は同日夕、台北拘置所に移送された。7日付工商時報が伝えた。
6日の審理は、葉被告が隠匿したとされる文書が機密文書ではないと判断されたため公開で開かれ、収監決定には暗い表情で聞き入っていたという。
葉被告が昨年1月に呉淑珍夫人による資金洗浄疑惑に関する資料を陳水扁前総統に提示した経緯について、担当裁判官が「利害衝突を回避する上で、他の上司に提出すべきではなかったか」とただすと、葉被告は「(陳前総統に報告したのは)情報が選挙結果や国家安全に影響を与える恐れがあると考えたためだ」などと述べた。葉被告はまた、「陳前総統から海外資金の件は適切に処理すると言われた」などと述べ、陳前総統によるもみ消しを黙認したことを示唆した。これに対し、裁判官が「あなたは官位を守りたいのか」などと声を荒げる場面もあった。
葉被告はまた、陳前総統が過去に李登輝元総統の資金洗浄にかかわったとして指摘した人物2人に対する捜査資料を陳前総統に手渡していたことを認めた。
陳前総統は最近、「李元総統も資金洗浄を行っていた」などと攻撃し、検察の取り調べに対しても、根拠となる資料を葉被告から受け取ったと主張していた。