ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

先端基礎研究に349億元、台湾版チャットGPTも(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2023年2月14日_記事番号:T00107405

先端基礎研究に349億元、台湾版チャットGPTも(トップニュース)/台湾

 国家科学・技術委員会(国科会、NSTC)の呉政忠・主任委員は13日、温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)、半導体と量子テクノロジーなど8分野の次世代テクノロジーの基礎研究を推進するプラットフォームを部会(省庁)横断で構築すると発表した。計349億台湾元(約1530億円)を投じる。技術力を蓄積し、台湾の産業の競争力と強靭(きょうじん)性(レジリエンス)を保持することが目的だ。また、米オープンAIが開発した「ChatGPT(チャットGPT)」など、利用者の質問に自動応答する対話AIサービスが話題になる中、呉・主任委員は、中国語の繁体字に対応した、台湾版のチャットGPTを今年末に発表する予定と表明した。14日付工商時報などが報じた。

/date/2023/02/14/00nstc-wu_2.jpg呉・主任委員は、今後20年の科学技術発展にとって、基礎研究は非常に重要だと強調した(国科会リリースより)

 ネットゼロ分野の予算が最も多く、▽持続可能な開発、▽先端エネルギー、▽低炭素・炭素削減、▽循環、▽温暖化ガス排出量が吸収量を下回る「カーボンネガティブ」──技術に今年119億元を投じる。国科会と中央研究院(中研院)が共同で、ネットゼロテクノロジーのソリューション指導委員会を設置し、各部会の関連ロードマップや戦略を調整、統合する。

 次いで予算が多い半導体と量子テクノロジー分野には83億元を投じる。国科会は、「2025半導体大型研究計画」を始動し、次世代半導体の先進技術の研究開発(R&D)やハイクラスの研究開発人材の育成を進めるほか、米国と先端半導体チップの設計・製造の研究協力計画を推進する。

 このほか、▽人工知能(AI)、40億元、▽情報セキュリティー、33億元、▽通信衛星と第6世代移動通信(6G)、26億元、▽防疫とエイジテック(高齢者向けのテクノロジー)、24億元、▽国防、23億元、▽人文科学、暫定ゼロ──を推進する。

 国科会は、2022年に科技部を改編し、設立された。国科会が取りまとめた基礎研究向けの22年予算は310億元で、前年比8.7%増加した。過去最大の増加幅だった。23年は347億元に引き上げる。

 呉・主任委員は、欧州が台湾の技術発展に関心を寄せていると指摘。科技部時代との最も大きな違いは他の部会との緊密な連携で、台湾の技術の実力を蓄積できると語った。

対話AI、偏見ある回答も

 チャットGPTについて呉・主任委員は、AIは利用者に教えられたことを学ぶため、回答が偏見を含む可能性があると指摘した。将来的に、台湾の中小企業がこうした対話AIを多く利用するようになり、偏見や誤解を生み出さないよう、台湾独自のチャットGPTが必要だと考え、1カ月前に国科会科技弁公室(OSTP)に指示したと述べた。

 チャットGPTは現在、英語での利用が多く、中国語で質問した場合、繁体字と簡体字が混じった回答となる。デリケートな政治問題も今のところ、比較的中立的な立場の回答だ。

 中国のインターネット検索最大手、百度(バイドゥ)が3月に、対話AI「文心一言(アーニー・ボット)」のサービスを開始する予定だ。

 科技弁公室の沈弘俊・副執行秘書は、このサービスは中国の論述に迎合する可能性があるので、台湾は独自に対話AIを開発する必要があると語った。

 

【セミナー情報です】

28年勝ち続ける経営者があなたに直伝、社長の心得セミナー。MBAや研修では学べない「生きた経営」、成功失敗の法則をわかりやすく解説。2月15日開催。オンライン受講可能。

検索は「ワイズ、社長の心得」。

【セミナー情報の詳細はこちら】

https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/107109.html