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作成日:2008年10月9日_記事番号:T00010781
プロ野球でまた八百長、米迪亜ティー・レックス解散か
1990年代半ば以降、野球賭博事件が後を絶たない台湾のプロ野球で、またしても八百長試合が発覚した。問題の球団は今年1月、カーナビメーカーの米迪亜科技(デー・メディア)が誠泰コブラズを買収し、改称した「米迪亜ティー・レックス」。暴力団が直接球団経営権を握り、一部の選手に八百長を強制していたという。
目下、八百長試合の疑いが持たれているのは7つものフォアボールを出し、7対10で敗れた7月16日の中信ホエールズ戦や、4対5で敗北した9月9日の中信ホエールズ戦など、計10試合。
検察の捜査によると、球団オーナーの施建新氏は、天道盟(台湾3大暴力団の一つ)出身の林秉文氏との共同出資で誠泰コブラズを買収したものの、毎月600万台湾元(約1,848万円)もの赤字経営。このため、地下銭荘とよばれる暴力団系ヤミ金融から融資を受けたが、返済が困難になったことから、暴力団が直接経営に乗り出すようになったという。
八百長を強いられた選手は、わざとフォアボールを出したり三振してゲームに負けるよう指示され、その見返りとして給与アップや性的接待を受けていたとされる。施オーナーや林秉文は八百長試合で数億元の不当利益を得ていたもようだ。
事件発覚を受けて蘋果日報が8日に行った電話によるアンケート調査(有効回答350人)によると、今後もプロ野球を「見る」と答えた人は30.29%だった一方、「もう見ない」は51.43%と過半数に上り、「もともと見ない(16.28%)」を合わせると全体の7割を占めた。
八百長体質の根が深い台湾の野球界、来年は球団が一つ減る可能性が高い。