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作成日:2008年10月13日_記事番号:T00010812
「海角七号」大ヒット、ロケ地巡りがブーム
8月22日の公開上映以来、わずか1カ月半で3億7,000万台湾元(約11億5,000万円)もの興行収入を記録し、低迷が続く台湾映画界に新風を吹き込んだ「海角七号」(魏徳聖監督)。今街中では、「海角七号、見た?」があいさつ代りになっているほどで、何度も繰り返し見る熱狂的なファンも多い。
映画の大ヒットとともに、舞台となった台湾南部、屏東県恒春鎮の人気が急上昇している。国慶節の連休となった10日、11日の2日間だけでも、10万人のファンがロケ地巡りに押し寄せ、かつてない大渋滞に交通規制が行われた。
大手オンライン旅行社、燦星旅遊網(スタートラベル)も、ガイド付きのロケ地巡りツアーを販売。人気は主人公・阿嘉の家や、友子おばあさんの家、バンドメンバーの茂伯の家で、ファンの長蛇の列ができ、見学は半時間以上待たねばならないという。阿嘉の勤務先、恒春郵便局やヒロイン友子の泊まったホテル、水蛙の働くバイク店、万里桐の堤防などもファンなら必見だ。
実は撮影に使われた阿嘉の家は、もともと空家だったが、現在は1泊5,000元の民宿に変身。商魂たくましい家主の張永源さんによると、3連休に訪れたファンは1,000人以上で、「歴代の恒春鎮長の努力は1本の映画に及ばなかった」と感慨深げだ。
ロケ地付近の商店やレストランも大繁盛で、これまで閑古鳥が鳴いていた店でも、一転しててんてこ舞いの忙しさ。ある麺屋の主人は、昼食時に1日の販売量の300杯が完売してしまった、とホクホク顔だ。
屏東県政府や恒春鎮も抜かりなく、25日から「海角七号ロケ地巡り観光バス」を運行する。映画の大ヒットを恒春半島の観光振興に利用したい考えだ。さて、この海角七号ブーム、いつまで続くことやら。