ニュース 電子 作成日:2023年4月12日_記事番号:T00108378
サプライチェーン(供給網)関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は先日、2ナノメートル製造プロセスを導入する新竹科学園区(竹科)宝山用地(新竹県宝山郷)第2期区画の超大型工場(ギガファブ)「Fab20」4基のうち、3基の建設計画を先送りすることを決定したようだ。中部科学園区(中科)に予定する2ナノ工場4基も、用地取得が進まず、遅れる見込みだ。世界経済の減速で、顧客の需要が減少する中、台湾での増産計画を見直しているようだ。12日付自由時報などが報じた。
竹科宝山用地に建設するFab20は、TSMCの2ナノプロセスの重要拠点となる。第1期工場「P1」は2024年にリスク生産、25年に量産を開始する予定だが、残り3基は先送りするようだ。
中科の2ナノ工場建設予定地は、今年2月に行政院環境保護署(環保署)の環境影響評価(環境アセスメント)を通過した。政府は土地の所有者、台中高爾夫球場(台中ゴルフ&カントリークラブ)と協議しているものの、ゴルフ会員権の補償問題などで合意に至らず、計画が遅れているとされる。
TSMCは、20日の業績説明会の前の沈黙期間を理由に、うわさにはコメントしてない。
南科3ナノも一部延期か
サプライチェーン関係者によると、3ナノプロセス量産式典を今年1月に開催した南部科学園区(南科)のFab18について、第7期工場P7の量産開始を23年から24年に遅らせるようだ。23年下半期(7〜12月)の3ナノ月産能力は予定していた6万枚を下回る見通しだ。
Fab18の工場は計9基で、3ナノプロセスは第5〜9期工場で生産する予定だ。
高雄工場、封止ラインか
11日付報道によると、TSMCは高雄市で建設中の新工場で、28ナノプロセスの採用を見合わせ、先進プロセスを導入することに変更したようだ。サプライチェーン関係者によると、先進封止(パッケージング)とする可能性もある。高雄工場の量産開始は、26年以降となるようだ。
サプライチェーン関係者は、28ナノ/22ナノプロセスなどを採用する予定の熊本工場が、TSMCとソニーグループ、デンソーと合弁で、日本政府から投資額の半分の補助を受けられるので、自己資金で建設する台湾の工場に比べ、費用対効果が高いこともあり、高雄工場の計画を見直したと分析した。
熊本工場は、28ナノ/22ナノプロセスのほか12ナノ/16ナノプロセスを採用する。24年末に量産を開始する予定。月産能力は5万5000枚を見込む。
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