ニュース 食品 作成日:2023年4月26日_記事番号:T00108627
食品大手、聯華食品工業の彰化工場で25日、火災が発生し、7人が死亡、15人が負傷した。工場2階の調理場から出火し、22人が逃げ遅れ、うち15人が4階の冷蔵室に逃げ込んだものの、ドアの隙間から濃煙が入り込み、台湾籍4人、フィリピン籍3人の7人が窒息死した。彰化工場は、半年に1度、防災訓練を実施し、消防の安全検査にも合格していた。労働部は、彰化工場の操業停止を命じたほか、今週中に聯華食品の各工場を検査し、今年中に全ての食品メーカーの工場を検査すると表明した。26日付自由時報が報じた。
聯華食品の彰化工場。病院に搬送された10人のうち7人が死亡、3人が意識不明の重体だ(25日=中央社)
彰化県消防局は、25日午前6時46分に通報を受けた。消防車が到着したときには、工場内に濃煙が充満していた。午前9時12分に鎮火した。
救出された従業員の1人は、4階で仕事をしていた際に、火災報知器が作動し、停電したと語った。煙が充満し、1階に逃げられず、パニックに陥り、皆が冷蔵室に逃げ込んだと指摘した。
消防によると、4階の冷蔵室は、外からドアを閉めなければ、しっかり閉まらない構造で、隙間から煙が入り込み、7人が窒息死した。
彰化県消防局第4大隊の張順享・隊長は、彰化工場は毎年2回、防災訓練を実施していたが、火災発生時は、冷蔵室に逃げ込む姿を見て、集団心理が働いたと分析した。3~4階に防火区画があれば、全員が助かった可能性があると指摘した。
彰化県政府は、彰化工場は昨年、消防安全設備の点検・修理は申告したが、建築物公共安全検査は申告していなかったと指摘した。建築物公共安全検査は、▽避難はしご、▽非常階段、▽屋上の避難場所、▽防火区画──などの項目があり、年1回の申告が必要。違反なら、罰金6万~30万台湾元(約26万~130万円)が科される。
彰化工場は、3交代制で24時間稼働していた。従業員は台湾籍と外国籍が半々で、外国人労働者は100人以上。
聯華食品の林家齊・総経理は、負傷者、犠牲者と遺族に賠償すると表明した。
セブン-イレブンに供給
聯華食品は、コンビニエンスストア最大手、セブン-イレブンの弁当、サンドイッチなど鮮食(調理済み食品)を製造している。彰化工場は、セブン-イレブンの中南部の店舗に供給しており、年間売上高は19億3900万元。
彰化県のほか基隆市、桃園市中壢に鮮食工場があり、鮮食事業の年間売上高は50億元以上。聯華食品の年間売上高107億7200万元の半分を占め、スナック事業を超えた。
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