ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

初のネオンガス生産会社設立へ、地政学的リスク考慮【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2023年4月28日_記事番号:T00108673

初のネオンガス生産会社設立へ、地政学的リスク考慮【図表】(トップニュース)/台湾

 28日付自由時報によると、半導体の露光工程で使用するレアガス(希ガス)、ネオン(Ne)を生産する新会社を、経済部の仲介で、▽鉄鋼最大手の中国鋼鉄(CSC)、▽聯華神通集団(マイタック・シネックスグループ)、▽産業用ガス世界最大手、独リンデ──が合弁で設立するようだ。台湾初のネオン生産会社となる。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、世界市場シェア70%を占めるウクライナ産ネオンの供給に懸念が高まり、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)などが台湾でのネオン生産を望んでいた。工場設置場所は、台南市か高雄市となりそうだ。

/date/2023/04/28/00neon_2.jpg

 提携について1年前から協議しており、当初は、CSCと聯華神通が粗ネオンを供給し、合弁会社が高純度ネオンを精製する方向となったようだ。投資額や出資比率は最終調整の段階で、未公表だ。

 ネオンは製鉄の副産物として産出される。CSCの王錫欽・総経理は、既存の空気分離装置で、▽酸素、▽窒素、▽アルゴン──を生産できるが、粗ネオンを分離し、精製するには、設備が必要で、技術や設備はリンデが持っていると語った。

 工場は台南市か高雄市に設置するとみられる。CSCは高雄市の小港工場と、傘下の中龍鋼鉄(ドラゴン・スチール)の工場に空気分離装置を各3基、聯華神通集団は2~3基設置する計画とされる。高純度ネオンの日産能力は240立方メートルを見込み、タンクローリーで輸送する。

 経済部の官僚は、TSMCなど半導体メーカーにネオンガスの需要があり、政府も現地調達を望んでいると話した。新会社は、王美花・経済部長が聯華神通の苗豊強・董事長に電話で話を付け、設立する運びとなった。

TSMC、現地調達推進

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、ネオンを製造するウクライナ企業のインガスとクライオインが22年3月に操業を停止した。2社の生産能力は世界の半導体向け年間使用量540トンの45%とされ、▽台湾、▽韓国、▽中国、▽米国、▽ドイツ──などに供給していた。

 日本経済新聞の英字メディア、日経アジアの22年11月報道によると、TSMCは同紙の取材に対し、複数のガスメーカーと協力し、3~5年以内に台湾でネオンガスを生産するため、設備購入を進めていると明かしていた。

 

【セミナー情報です】

日本人向けワイズ経営塾、台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?経営者が知っておくべき法律や在台日系企業の給与事情もご紹介します。5月16日開講。

検索は「ワイズ経営塾、5月16日」。

【セミナー情報の詳細はこちら】

https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/103898.html