米半導体大手マイクロン・テクノロジーは12日、台湾DRAM大手の華亜科技(イノテラ・メモリーズ)の株式35.6%を独キマンダから4億米ドルで取得することで合意したと発表した。
マイクロンが華亜科技株を取得するのは、南亜科技との提携強化が最大の狙いだ。華亜科技はもともとキマンダと南亜科技の合弁会社だったが、南亜科技は今年3月にキマンダからマイクロンに提携先を乗り換えており、今回の株式譲渡はそれに沿った動きと言える。
今回の株式譲渡で、マイクロンと南亜科技は今後、華亜科技のDRAM生産能力を半分ずつ利用することになる。マイクロンは華亜科技に対し、スタック型DRAMの製造技術を提供する。
マイクロンのアップルトン会長は「華亜科技との新たな関係はマイクロンの競争力強化につながる」とコメントした。
株式譲渡は2段階に分けて行われる。マイクロンは第1段階として華亜科技株の18%を2億米ドルで来週までに取得し、残る株式は台湾政府の認可が得られ次第取得する。マイクロンは取得代金のうち2億8,500万米ドルを借入金で賄う。
華亜科技のDRAM生産量は現在月12万枚。南亜科技とマイクロンの合弁メーカー、亜美科技も来年には12インチウエハー工場で生産を開始する。南亜科技が属する台塑集団(台湾プラスチックグループ)は南亜科技とマイクロンの提携強化で間接的な利益を得る見通しだ。