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作成日:2008年10月15日_記事番号:T00010878
繁華街に毒ガス?!催涙スプレーで被害43人
台北市の繁華街で14日午前11時頃、化学物質が空気中に散布され、バスや信号を待っていた市民43人が目や皮膚の痛みを訴えて、病院に運びこまれる騒ぎがあった。
最初の被害者となった男性、李明諺さんによると、中華路と広州街の交差点をバイクで走行していた際、自分の前を走っていたバスのタイヤが赤い箱のような物を踏みつぶすのを目撃。箱が割れて中から黄色の粉末が飛び出し、空中に舞い上がったという。
また、中華路で2歳の息子とバスを待っていたという女性は、突然雨のように粉が降って来て、目やのどが痛くなったと証言し、「本当に怖かった」と語っている。
現場の交差点付近には、黄色い粉末が約1平方メートルにわたって散らばっていたほか、赤いプラスチックの破片も確認された。黄色の粉末をかぶった被害者はいずれも、目やのどの痛みのほか、皮膚がヒリヒリするなどの症状を訴え、日本人男性1人を含む計43人が救急車で病院に運ばれた。自分のバイクで病院へ行った被害者もいたという。
行政院環境保護署によると、工研院環境分析研究実験室の検査の結果、黄色の粉末はクロロベンジリデンマロノニトリル(略称CS)と判明。CSは催涙スプレーの主成分で、涙やくしゃみ、せきが止まらなくなる、皮膚がヒリヒリするなどの作用を持つ。
袁紹英環境保護署毒物管理処長は、「恐らく、暴漢を撃退する護身グッズとして催涙スプレーを所持していた女性が、バイク走行中に不注意で道路に落としたものと思われる」と推測。
幸いなことに、被害者はいずれも健康への影響はなかったようだが、それにしても人騒がせではある。