ニュース 電子 作成日:2023年5月12日_記事番号:T00108904
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が11日に台湾で開催した技術フォーラムで、張暁強・業務開発資深副総経理は、顧客の車載用半導体メーカーがこぞって、3ナノメートル製造プロセスを採用していると明かした。スマートフォンや高性能計算(HPC)向けの採用も進んでおり、3ナノ移行ペースは5ナノを上回ると指摘した。11日付経済日報などが報じた。
魏・総裁は、次回の技術フォーラムは、対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」にスピーチ原稿を依頼するかもしれないと、冗談交じりに語った(11日=中央社)
TSMCが昨年末に3ナノの量産式典を開催した当時、3ナノ「N3」の顧客はアップルだけとみられていた。
張・副総経理は、車載用の顧客の需要を受け、車載用の「N3AE」を提供し、顧客の製品化までの時間を2~3年短縮すると語った。
張・副総経理は、3ナノ強化版「N3E」は5ナノと比べ、処理速度は18%向上、消費電力は32%抑制、ロジック密度は60%上昇、チップ密度は30%上昇すると指摘した。
「N3E」採用製品はテープアウト(設計完了)しており、下半期(7~12月)に量産を開始する予定だ。3ナノの「N3」と「N3E」は、量産後3年のテープアウト件数が、5ナノの1.5~2倍と見込んでいる。
AIで半導体商機
魏哲家・総裁は、▽スマートカー、▽スマートホーム、▽スマートシティー──は人工知能(AI)や第5世代移動通信(5G)技術が必要で、半導体産業に商機をもたらすと指摘した。
TSMCの予測によると、30年に世界の半導体市場は1兆米ドルまで拡大し、▽AI向けなどのHPC、40%、▽スマホ、30%、▽車載用、15%。モノのインターネット(IoT)、10%──となる見通しだ。
足元の景気悲観
魏・総裁は、昨年の技術フォーラムで話した予測は大間違いで、後に下方修正を迫られたと語った。半導体市況の変化は、業界の予想以上で、TSMCでさえ、正確に予測するのは困難な状況だ。
魏・総裁は、景気は悪いが、むやみに値上げしないよう努力すると語った。
TSMCの技術フォーラムに出席した大口顧客の聯発科技(メディアテック)の陳冠州・総経理は、「それはありがたい」と答え、現在の市況は確かにひどいが、いつか暗雲は去ると語った。
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