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作成日:2008年10月15日_記事番号:T00010900
市販酒からヘキサン、悪徳業者が工業用アルコール使用
市販されている酒の一部に有機溶媒のヘキサンが最高で10%も含まれていることが、屏東科技大学の呉明昌教授らの調べで14日までに判明した。15日付自由時報が伝えた。
酒造業界では工業用アルコールを蒸留して、原料の食用アルコールに転換する悪質な企業があるとされ、その過程でヘキサンが残留したとみられる。特に米酒、コーリャン酒などで残留量が高い商品が見つかった。
ヘキサンは有機溶媒の一種として知られ、無色透明で灯油臭がする液体で、一般にヒトに対する毒性は低いとされるが、神経毒性も指摘されている。
内政部警政署は10月初め、台中県太平市の酒造工場で工業用アルコールを蒸留して食用アルコールを生産し、米酒やコーリャン酒を生産していた業者が摘発されている。
摘発された業者は、「多くの業者が工業用アルコールを食用アルコールへ転換して使用し、コストを削減している。蒸留技術がしっかりしていれば完全に食用アルコールに転換できる」として、生産過程に問題はないと主張した。しかし、台中県政府は同工場の事業内容にアルコールの転換は含まれていないとして、関係法令に基づき罰金処分を下した。
悪徳業者が存在する背景には、食用アルコールの価格が税込みで1リットル45台湾元(約142円)で、工業用アルコールの同30元よりも割高なことがある。数百万元の蒸留設備を購入しても割が合う計算だというが、蒸留が不十分だとヘキサンが残留する危険がある。