ニュース 政治 作成日:2023年5月18日_記事番号:T00109001
2024年1月13日に投開票が行われる総統選挙に向け、最大野党の国民党は17日、侯友宜・新北市長(65歳)を公認候補に、野党第2党の台湾民衆党は柯文哲・主席(63歳)を擁立した。与党・民進党は頼清徳・副総統(63歳)に決定しており、主要3党の候補者が出そろった。米中対立が深刻化する中、最長2期8年の任期を終える蔡英文・総統の路線を引き継ぐ頼氏に対し、侯氏は17日、国際情勢は武力、域内は対立問題があり、若者は将来が見えない状況だと指摘し、有権者に「もう一度政権交代を」と3回繰り返して訴えた。18日付中国時報は、有権者は現政権に不満があるものの、緑(民進党)反対勢力が協力しない限り、票が割れて政権交代は困難との見方を示した。
侯氏は17日、「出るからには勝つ」と意気込んだ(17日=中央社)
侯氏は、台湾の栄光と繁栄のため団結して勝利すると述べ、政権交代しなければ、台湾を守れないと訴えた。
侯氏は、中央警察大学の博士号を取得し、警政署長や新北市副市長などを歴任した。2022年11月の統一地方選で圧勝し、新北市長は2期目(22~26年)に入っている。総統選の準備のため10月から休職するとみられている。
朱立倫・国民党主席は、侯氏は内政部警政署長として8万人を率い、新北市長として市民400万人に13年奉仕し、施政満足度が最高だったと指摘。先見力、リーダーシップ、調整力、強い意志と温かい真心がある人物だと語った。
また朱・主席は、国民党の公認候補の指名獲得を目指していた鴻海精密工業創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏に対して感謝を述べた上で、よりよい暮らし、両岸(中台)の平和のために、国民党は一致団結して来年5月20日に政権を取り戻すと述べた。
頼氏、「民主のパートナー」
頼氏は4月に公認候補に選出された際、総統選は「民主主義と専制政治」の選択だと迫る一方、17日、国際社会は台湾が信頼できる民主のパートナーだと認めており、これを継続するのかどうか選挙結果で世界に伝えようと呼び掛けた。
頼氏(左2)。総統選は勝ち負けだけでなく、民主の団結の場だと語った(14日=中央社)
頼氏は医者出身で、台南市長や行政院長を歴任した。現在、民進党主席で、副総統を務める。かつては対中強硬派として知られていたが、総統選を視野に、昨年から「台独工作者」と自称してきた政治路線を調整したとみられている。
柯氏、「良い戦いを」
柯氏も医者出身で、台北市長を2期(14〜22年)務めた。柯氏は17日にフェイスブック(FB)で、侯氏が国民党の公認候補に指名されたことに祝辞を述べた。かつては台北市長と新北市長で協力関係にあったが、総統選では良い戦いにしたいと語った。
柯氏と郭氏の総統・副総統ペアの可能性もまだ残されているようだ(17日=中央社)
柯氏は5月20日に記者会見を開き、選挙公約を発表する予定だ。
台湾民衆党の周台竹・秘書長は、台湾民衆党は結成3年余りの小さい政党で、リソースも豊富ではなく、郭氏の支持層や、中間層・無党派層を取り込むと語った。ペアを組む副総統候補について周・秘書長は、郭氏は非常に良い人物で、柯氏も以前、優秀で理念が同じであれば可能と発言していたと述べた。
国民党調査でも頼氏がリード
国民党が17日発表した複数の世論調査のまとめによると、三つどもえの戦いの場合、▽頼氏、30.4%。▽侯氏、25.43%、▽柯氏、25.27%──と、頼氏が勝利するが、国民党と民進党の一騎打ちになれば、侯氏は36.7%で、頼氏の34.27%を上回った。
一方、台湾民意教育基金会が16日発表した世論調査でも、三つどもえの戦いの場合、頼氏が35.8%で首位、侯氏が27.6%、柯氏が25.1%で、頼氏が勝利する見通しだ。
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