アップルが発表した2022年会計年度（21年9月～22年9月）のサプライヤーリストで、上位98％に相当する186社のうち、台湾企業は45社で横ばいだった。うち5社が入れ替わり、ワイヤレスイヤホン、AirPods（エアポッズ）を手掛けていた英業達（インベンテック）など5社がリストから外れた。一方、中国企業は5社追加、8社削除で、49社に減少した。米中対立が緊迫化する中、アップルの中国外しとの見方もある。25日付経済日報が報じた。

　サプライヤーリスト186社は、前年比4社減少した。中国企業の減少は、20年会計年度に中国企業が51社となり、台湾企業48社を追い抜いて以降、初めて。

ノバテックとウィンボンド追加

　台湾企業は、▽ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造（TSMC）、▽スマートフォン用カメラレンズ最大手、大立光電（ラーガン・プレシジョン）、▽組み立ての鴻海精密工業──などの常連メンバー以外に、新たに▽ディスプレイドライバIC（DDI）大手、聯詠科技（ノバテック・マイクロエレクトロニクス）、▽メモリー大手、華邦電子（ウィンボンド・エレクトロニクス）、▽レンズモジュールの致伸科技（プリマックス・エレクトロニクス）、▽非上場の光学ガラスメーカー、白金科技（プラチナム・オプティクス・テクノロジー）──が加わった。バックライトモジュール（BLM）の瑞儀光電（ラディアント・オプトエレクトロニクス）はサプライヤーリストに復帰した。

　市場では、ノバテックは、アップルが来年発売するスマホのハイエンド機種、iPhone16プロ（仮称）に有機EL（OLED）DDIを供給するとみられている。

　リストから外れた5社は、インベンテックのほか、▽ノートパソコン用放熱モジュール、奇鋐科技（アジア・バイタル・コンポーネンツ）、▽IC基板、景碩科技（キンサス・インターコネクト・テクノロジー）、▽キーボード用メンブレンタッチスイッチ（MTS）、科嘉（英領ケイマン諸島登記）、▽金属粉末射出成形（MIM）の台耀科技（台湾パウダーテクノロジーズ）──。

　業界関係者によると、組み立ての和碩聯合科技（ペガトロン）傘下の景碩科技はリストから外れたが、間接的に供給しているようだ。

レンズ、舜宇光学が追い上げ

　中国企業では、カメラレンズ大手、舜宇光学科技（サニー・オプティカル・テクノロジー）が初めてリスト入りした。

　業界関係者は、舜宇光学の追い上げは予想以上のペースで、iPhoneカメラレンズ主要サプライヤーのラーガンと玉晶光電（ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO）にとって脅威になり得ると指摘した。

　組み立ては、立訊精密工業（ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー）が引き続きリスト入りした。

　アップルのサプライヤーリストで、生産・研究開発（R＆D）拠点数は428カ所で、前年比37カ所減少した。中国の149カ所が最多で、前年から横ばいだった。

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