中国から輸入された膨張剤の炭酸水素アンモニウムから高濃度のメラミンが検出され、行政院衛生署は19日までに、210.65トンの差し押さえ手続きを取った。しかし、既に出荷した259トンのうち、菓子類、皮革・プラスチック加工などに使用された57トンを除く202トンの流通先と用途が不明のままとなっており、食品に使用された疑いがある。20日付聯合報が伝えた。
衛生署によると、問題の炭酸水素アンモニウムから検出されたメラミンの濃度は基準値の987倍に当たる2,470ppmだった。いずれも同一企業が輸入したもので、各地の衛生当局は流通先の特定を急いでいる。一部は仲介業者を経て、海藻洗浄、油条(中国式の揚げパン)販売店などに売られたとみられる。ただ、納入先に関する資料が乏しく、追跡は困難を極めている。
油条も危険?と不安になるが、ある業者は油条づくりに炭酸水素アンモニウムを使う店は既に少ないと指摘している(19日=中央社)
これまでに特定された57トンのうち、0.67トンは宏亜食品がウエハー菓子に使用し、商品からメラミンが検出されたため回収措置が取られた。残る56.4トンは皮革・プラスチック加工、染料などに使用された。
林口長庚医院臨床毒物科の林杰リョウ主任(リョウはきへんに梁)は、「体重60キログラムの成人で毎日11本の油条を長期にわたり食べ続けなければ健康への影響はない。パニックに陥る必要はない」と呼び掛けた。