ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

富邦金、ING安泰人寿を買収


ニュース 金融 作成日:2008年10月20日_記事番号:T00010998

富邦金、ING安泰人寿を買収

 
 富邦金融控股は20日、オランダ金融大手INGグループ傘下の生命保険会社、安泰人寿保険を6億米ドル(約195億台湾元)で買収すると発表した。生保の買収としては、域内では過去5年で最大規模で、これにより富邦金傘下の富邦人寿保険と安泰人寿を合わせた総資産は約1兆元(約3兆1,200億円)に達し域内4位に躍進する。富邦金傘下の保険業務はこれまで損害保険を主としており、安泰人寿の買収により中国進出も視野に入れ、生保分野での展開を拡大するとみられる。20日付経済日報などが報じた。
 
T000109981

 
 今回の買収に「安泰人寿は市場の評価も高く、当グループのメンバーに加えることをうれしく思う」と語った富邦金の蔡明忠董事長によると、安泰人寿は100%子会社として同社傘下に編入され、INGグループも富邦金の発行する新株を取得して持ち株比率5%となる。買収手続きは12月5日の株主総会での同意を経て完了する予定だ。

保険料収入シェアは2位に
 
 設立20年で保険契約者220万人を抱える安泰人寿は、外資系としては経営破綻(はたん)した米AIG系列の南山人寿保険に次いで域内第2位の生保会社。一方富邦人寿も近年成長著しく、100万人を超える契約者を抱え、毎月の新規契約保険料収入では域内最大手の国泰人寿(キャセイライフ)に次ぐ2位だ。

 今回の買収で富邦人寿と安泰人寿を合わせた総保険料収入、初年度保険料の域内市場シェアは共に2位に上昇し、総資産額でも国泰人寿保険(キャセイライフ)、新光人寿保険の域内2大生保に一歩近づくことになる。富邦金では当初は傘下に富邦人寿と安泰人寿の2つの生保を抱えることになるが、今後段階的に統合を進めたい考えだ。

 蘭INGグループは第3四半期、世界的金融危機の影響で5億ユーロ(約680億円)の赤字となる見通しとなり、19日オランダ政府による100億ユーロの公的資金の受け入れを発表した。これを受けて安泰人寿では同日、「当社の第3四半期業績は想定範囲内で、財務体質は健全だ」として親会社の破綻で解約が急増した南山人寿とは異なると強調した。

買収は「お買い得」

 さらに、生保が中国に拠点を開設するには「設立後20年経過している」という条件があるが、安泰人寿はこれを満たしており、富邦金は買収と同時に中国進出の切符も手に入れることになる。また、約200億元で総資産6,100億元以上の安泰人寿を買収することになり、富邦金のある幹部は「お買い得だ」と語ったという。蔡董事長も「販路も拡大でき、商品構成も補完的な効果が期待できる」と話した。