ニュース 電子 作成日:2023年7月21日_記事番号:T00110128
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は20日に開催した業績説明会で、2023年の連結売上高予測は前年比10%減と、4月時点の4~6%減から下方修正した。魏哲家・総裁は、人工知能(AI)需要は力強いものの、マクロ経済は低迷、中国の需要回復が予想より遅れており、最終製品の需要が弱く、顧客の在庫調整が続いていると指摘した。在庫水準が健全になるのは、第4四半期(10~12月)末と予測した。20日付工商時報などが報じた。
AI売上高、6%
TSMCが同日発表した第2四半期(4~6月)の連結売上高は前期比5.5%減、前年同期比10.0%減の4808億4000万台湾元(約2兆2000億円)だった。粗利益率は54.1%で前期比2.2ポイント低下、営業利益率は42.0%で3.5ポイント低下した。純利益は前期比12.2%減、前年同期比23.3%減の1818億元で、過去1年1四半期で最も低かった。
製造プロセス別の売上高構成比は、7ナノメートル以降の先進プロセスが53%を占め、うち5ナノが30%、7ナノが23%だった。
魏・総裁は、AI関連プロセッサーの売上高構成比は6%と初めて明かした。今後5年の年平均成長率(CAGR)は50%、売上高構成比は11〜13%に上昇すると予測した。
第3四半期(7~9月)の連結売上高は、前期比6.5~11.6%増の167億~175億米ドルと予測した。粗利益率は、3ナノプロセス量産の影響で51.5~53.5%と、4四半期連続で低下すると予測した。
23年の設備投資目標は320億~360億米ドルで据え置いた。うち、先進プロセスが70~80%、特殊プロセスが10~20%、残りは先進封止(パッケージング)とフォトマスクと説明した。
メモリーを除く世界の23年半導体生産額予測は、従来予測の前年比4~6%で据え置いた。うちファウンドリー生産額は14~16%減と予測し、4月時点予測の7~9%減から下方修正した。
米国工場、量産1年延期
劉徳音(マーク・リュウ)董事長は同日、米国アリゾナ州で建設中の工場について、4ナノの量産開始を従来予定していた24年から25年に延期すると語った。3ナノは26年に量産開始予定で変わりない。
劉・董事長は、アリゾナ工場は設備を搬入しているところだが、設備搬入の熟練エンジニアが不足していると説明した。台湾から500人以上派遣するとの報道について黄仁昭・財務長は、一時的な支援で、現地の雇用には影響しないと説明した。
欧州では、ドイツで車載用の特殊プロセスの工場建設を検討中だ。
熊本工場は24年末に量産を開始する予定だ。12/16ナノ、22/28ナノプロセスで車載用を生産する。
中国では、南京工場の28ナノ生産能力の拡大を計画している。
TSMCは、年内に従業員を6000人雇用する目標に変更はないと表明した。高雄工場に2ナノを導入するかは言及しなかった。
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