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作成日:2008年10月22日_記事番号:T00011047
正隆紙業、国際排出権取引市場に参入
製紙大手、正隆紙業の蔡東和董事長は21日、既に発生した二酸化炭素(CO2)の量を何らかの手段で相殺する、カーボンオフセットの自主基準「ボランタリー・カーボン・スタンダード」(VCS)を今月末にも取得し、国際CO2排出権取引市場に参入することを明らかにした。同基準の取得は台湾企業として初めて。22日付蘋果日報などが伝えた。
正隆では地球温暖化防止に向け、積極的にCO2の排出量削減に取り組んでいる。このほど桃園県の大園製紙工場の「排水処理場のメタンガスエネルギーリサイクルによるCO2排出削減プロジェクト」によって、VCSの申請を行った。取得が実現すれば国際市場において、CO2排出量20万トン分、価格にして120万米ドルの取引が可能になる見込み。
CO2排出量の国際取引は、京都議定書に盛り込まれた「クリーン開発メカニズム」(CDM)の採用でも可能だが、台湾は同議定書に署名していないため、域内企業が参入するにはVCSの取得が唯一の選択肢だ。
VCSは昨年、国際排出権取引協会(IETA)と「持続可能な発展のための経済人会議」(WBCSD)、国際NGO(非政府組織)「クライメート・グループ」によって策定された。2008年の国際CO2排出量取引は06年の約10倍、1億5,000万トンの規模に成長するといわれている。