ニュース 電子 作成日:2023年9月4日_記事番号:T00110911
業界関係者によると、IC設計会社が台湾のファウンドリーに対し、成熟プロセスの受託生産価格を中国のファウンドリーと同水準まで引き下げるよう求めている。業界では、コロナ特需で7〜8割上昇した価格が、昨年の在庫調整で2〜3割下落したのと合わせて、4~5割下落すると見込んでいる。値下げの余地はまだ残されており、値下げがいつまで続き、いつ価格が上昇に転じるか見通せず、需要期の下半期(7〜12月)も振るわない見通しだ。4日付経済日報が報じた。
主に成熟プロセスを手掛ける台湾のファウンドリーは、▽聯華電子(UMC)、▽力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)、▽世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター、VIS)──など。ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)も成熟プロセスを手掛けている。
あるIC設計会社は、成熟プロセスを手掛けるファウンドリーは数多く、歩留まり率も大差ないことから、価格競争力が優先となっていると指摘した。TSMCの成熟プロセスは、過去2年で大幅な値上げがなく、今も値下げの話はない。TSMCは、ノーコメントだ。
1千ドル台に逆戻り
あるIC設計会社によると、プロセスごとに異なるものの、12インチウエハー受託生産価格はコロナ前、およそ1枚当たり1000米ドルだった。コロナ特需で供給不足に陥り、TSMC以外の価格は1枚当たり2000米ドルへと、7〜8割上昇した。今回の値下げで、2000米ドルを割り込むものの、コロナ前よりは高い。
中国と台湾のファウンドリーに発注しているIC設計会社によると、台湾のファウンドリーのオファー価格は通常、中国のファウンドリーより1割以上高い。コロナ禍の供給不足で、ファウンドリーが成熟プロセスの生産能力を拡張したことも、値下げを求める理由だ。
TSMC以外のファウンドリーは、ウエハー投入枚数が多いことを条件に、ボリュームディスカウント(大量割引、数量割引)に応じている。そのため、IC設計会社は、顧客から値下げを求められ、粗利益率を確保するため、ファウンドリーに値下げを求めても、発注量が少なければ、理想の価格まではなかなか下がらないようだ。
中国需要、1〜2年先まで悲観
IC設計会社は、中国経済がすぐ回復する見込みはなく、今後1〜2年の消費者向け電子製品の売れ行きは悲観的だと語った。別のIC設計会社は、顧客の受注はあるものの、急に減らされることもあり、安定していないと説明した。
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