行政院農業委員会(農委会)は24日、東京で開催した「台湾産うなぎ秋の土用丑フェア」で、日本で活躍する台湾出身のお色気タレント、インリン・オブ・ジョイトイ(本名・顔垠凌)を「台湾産うなぎ親善大使」として起用した。これに対し、台湾では不適切な人選という批判が出ている。
台湾産うなぎを宣伝するインリン。先月プロレス団体社員と結婚したばかりで、「うなぎで子作り」と報じられるなどなかなかの注目度だったようだ(24日=中央社)
1976年台北市生まれのインリンは、10歳の時に日本に移住し、95年に芸能界デビュー。過激な衣装や「M字開脚」でグラビアアイドルとして有名に。近年はバラエティ番組やトレンディドラマにも出演するなど、イメージ転換を図りマルチタレントを目指して活躍中だ。
中興大学応用経済系の黄琮琪教授は、「農産物の親善大使には、素朴で健康なイメージの人を起用すべきで、グラビアアイドルは不適」と批判。農業学者、杜宇氏も「台湾産うなぎは高品質をアピールしているのだから、もっと商品イメージに合う人選をすべき」と注文している。
農委会によれば、同フェアは台湾鰻蝦生産合作社聯合社(同業組合)に委託したもの。起用したタレントのバックボーンまでは把握していなかったと手落ちを認めており、今後、検討改善を進めるという。
一方、養殖漁業発展協会の黄徹源執行長は「販路拡大のためには話題作りが必要であり、限られた予算内での高い付加価値が必要だが、今回の人選はこの条件を満たしている」と反論している。
実際、日本で知名度がある台湾人タレントは少なく、日本のメディアに日本語で対応できる人材となればなおさら。予算の範囲内で、いかに日本の消費者に台湾産うなぎに対する認知度アップを図るかが農委会の課題なのだろう。