台北市で25日、「反黒心、顧台湾(有害食品に反対し、台湾を守る)」をテーマに野党民進党主催の反中国・反馬英九政権デモが行われ、主催者側の発表で60万人が参加した。
「馬」と「尻」の中国語「マーピー」は、「ごますり」の意味。「中国にごまする馬総統」を皮肉っている
(25日=YSN)
デモは5カ所の出発点に分かれ、「主権空洞化に反対」「無能な政府に反対」「一つの中国市場反対」「一つの中国教育反対」などを訴えて総統府前の凱達格蘭大道まで行進した。
民進党の蔡英文主席は、「馬政権はあまりにも中国に譲歩し過ぎる。陳雲林・海峡両岸関係協会(海協会、中国の対台湾窓口機関)を迎えるために両岸(中台)を『国と国の関係』から『地域と地域の関係』に変えてしまった。この総統がわれわれの主権を売り渡す権利はあるのか」と馬政権を強く批判した。
民進党は陳会長が訪台する11月3日にも台北駅前で大規模な抗議集会を行うほか、27日付聯合報によると、独立派団体が、▽陳会長の宿泊する円山大飯店を包囲▽反中スローガンをプリントしたTシャツを着て円山大飯店にお茶を飲みに行く▽反共スローガンを記した気球を上げる──などさまざまなアイディアで陳会長に「台湾の声」を聞かせることを計画しているという。
25日の抗議デモにはマネーロンダリング疑惑の渦中にある陳水扁前総統も参加したが、「反中・反馬英九」の焦点がずれることはなかった。予想を超える大勢の人々が参加したことは、それだけ市民の間で馬政権の対中姿勢と、特に経済に関する行政能力への不満が高いことがうかがえる。