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屏東ゴルフボール工場火災、危険物保管違反で罰金(トップニュース)/台湾


ニュース 社会 作成日:2023年9月25日_記事番号:T00111360

屏東ゴルフボール工場火災、危険物保管違反で罰金(トップニュース)/台湾

 ゴルフボール受託生産最大手、明揚国際科技(ローンチ・テクノロジーズ)の屏東科技園区(輸出加工区、屏東県)にある工場で22日午後に発生した爆発による火災は、28時間後の23日午後10時前に鎮火した。25日午前10時時点の統計によると、9人が死亡、110人が重軽傷を負い、従業員1人が依然行方不明だ。爆発の原因は、工場内に保管されていた引火性の物質とみられている。周春米・屏東県長は25日午前10時半に記者会見を開き、明揚国際科技は消防法で定められた危険物に当たる有機過酸化物を規定の30倍も貯蔵するなど深刻な違反が3件あり、合計240万台湾元(約1100万円)の罰金を科すと発表した。25日付中国時報などが報じた。

/date/2023/09/25/00mingyang_2.jpg明揚国際科技の工場では連日、行方不明者の捜索が行われている(24日=中央社)

 屏東県政府によると、明揚国際科技の工場は、中度危険工作場所に指定されている。工場内には、塗料の中和剤として用いる酸化剤など大量の化学品があり、ゴルフボールの材料のプラスチックなど可燃性の物質も多く保管されていた。有機過酸化物は、水との接触で発火や発熱する禁水性物質で、高温で引火する可能性がある。

 周・屏東県長は、工場内に有機過酸化物が規定の100キログラムの30倍、3トン保管されており、罰金30万元を科すと説明した。また、倉庫は独立した建物でなければいけないが、1階が倉庫、2階が作業場だったと指摘した。

 このほか周・屏東県長は、消防隊員の到着時に化学品の種類や貯蔵量、工場の平面図など救助活動に必要な情報をすぐに提供しなかったとして罰金60万元、火災発生時、すぐに担当者を現場に派遣しなかったとして罰金150万元を科すと発表した。

 火災発生当初、消防車による放水が2度目の爆発を招いたとの報道もあったが、周・屏東県長は、消防は、工場内に保管されている化学物質を示す「物質安全資料表」を受け取り、乾式の消化剤で消火活動を行ったと説明した。

 ある被害者の家族は、火災発生当時、一部の従業員が防災訓練と思い込んですぐに避難せず、会社の避難指示も遅れたため、被害が拡大したとの見方を示した。

安全検査を実施へ

 明揚国際科技と親会社の明安国際企業(アドバンスド・インターナショナル・マルチテック)は24日、オンライン記者会見を開き、謝罪した。第1工場は被害が深刻だが、第2工場に影響はなく、損害額は計算中と説明した。保険金額の15億元を上回る見込みだ。

 経済部輸出加工区管理処の劉継伝・副処長は、科技産業園区(2021年に輸出加工区から名称変更)で危険物を保管しているメーカーに対し、労働安全検査を行うと表明した。

 

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