ニュース 自動車・二輪車 作成日:2023年10月19日_記事番号:T00111739
鴻海精密工業は18日、物流用などの商用バンタイプの電気自動車(EV)「モデルN」の試作車と、5人乗りクロスオーバースポーツ用多目的車(SUV)「モデルB」の量産モデルを披露した。劉揚偉・董事長は、鴻海のEVのCDMS(設計・製造受託サービス)で、既に14社と累計23件の開発を進めていると明かした。顧客の要望を受け、台湾に年産能力5万~10万台の生産拠点を設ける計画で、時期が熟せば中国にも生産拠点を設置すると語った。19日付経済日報などが報じた。
モデルNは、蓄えた電力を外部に給電できる(鴻海リリースより)
鴻海は同日、年1回の成果発表会「2023鴻海科技日(鴻海テックデー、HHTD23)」を台北市南港区の南港展覧館で開催した。
モデルNは、全長6メートルで、最大積載量2.2トン、荷室容量は11.6立方メートル。航続距離250キロメートルだ。2024年第4四半期(10〜12月)に量産に入る予定だ。鴻海は、モデルNは電動の乗降補助ステップや跳ね上げ式ドア(ハッチ)、車体左右と後方の警告灯などを備え、物流事業者にとって、より安全、快適で、効率が高いと説明した。
モデルBは、シングルモーターの後輪駆動(RWD)タイプと、ダブルモーターの4輪駆動(4WD)タイプがある。航続距離は500キロメートル。第4四半期に量産に入る予定だ。
トレードマークの黒ジャケット姿でモデルBに乗って登場したフアンCEO(左)に対し、友人でもある劉・董事長(右)は「これほどの人物を紹介する必要はあるかな」と冗談を言った(鴻海リリースより)
鴻海とEVの自動運転技術やAI(人工知能)サーバーなどで協力関係にあるグラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)が特別ゲストとして登場した。劉・董事長は、モデルBは若いカップルにぴったりで、「ビューティー&ビースト(美しく、操作性が高い)」と説明し、フアンCEOは、「どちらが美女でどちらが野獣?(ビューティー&ビースト=美女と野獣)」とおどけた。
自動車メーカー買収に意欲
劉・董事長は、情報通信技術(ICT)製品と同様、M&A(合併・買収)で自動車メーカーの工場を取得することで、受注を獲得すると語った。鴻海は、2021年に小型商用EVトラックメーカー、米ローズタウン・モーターズのオハイオ工場を取得したほか、今年7月に世界3位の自動車部品メーカー、独ZFフリードリヒスハーフェンと提携し、傘下のZFシャシー・モジュールズの株式の50%を取得すると発表していた。
劉・董事長は、従来型の自動車メーカーは車両を一貫生産してきたが、パソコン同様、生産委託すれば、コストが下げられる上、売れない場合の余剰人員の問題がなくなるなど、メリットが多いと指摘した。受託メーカーなら、ある製品が売れなくても、他社の製品も手掛けているので、対応できると説明した。
鴻海のEV事業の最高戦略責任者(CSO)、関潤氏は、EVは価格が高く、充電が必要で、利益を出しにくいため、従来型の自動車メーカーにとって負担が重いが、鴻海のCDMSを利用すれば、モジュール化した部品も利用でき、EV開発ペースを速めることができると語った。鴻海は9月までに台湾、北米、インド、東南アジア、中国などで51件のEVプロジェクトがあり、うち23件は商談、意向書、契約、量産の段階に入ったと語った。
【セミナー情報です】
日本人向けワイズ経営塾、台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?経営者が知っておくべき法律や在台日系企業の給与事情もご紹介します。11月24日開講。
検索は「ワイズ経営塾、11月24日」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/103870.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722