ニュース 電子 作成日:2023年10月20日_記事番号:T00111766
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家・総裁は19日の業績説明会で、スマートフォンやパソコンは在庫調整が終わる兆しがあり、半導体景気は今がほぼ底に近いとの見方を示した。下方修正すると予想されていた今年の設備投資は320億米ドルで据え置いた。2024年については、AI(人工知能)需要が依然強く、3ナノメートル製造プロセスの需要は3カ月前より改善しており、健全な成長軌道に戻ると楽観した。20日付経済日報などが報じた。
魏・総裁は、今が景気の底とは言い切れないが、現状から推測すると底に非常に近いと語った。スマホやPCの在庫調整の兆しがみられるものの、顧客の慎重な在庫管理や中国の需要低迷から、力強く回復するとは言えないと語った。
TSMCは、高性能計算(HPC)は今後数年、力強い需要が続き、車載用の需要は来年も強いと予測した。一方、スマホ需要は過去の平均を下回ると予想した。
Q3増収増益
TSMCが同日発表した第3四半期(7〜9月)の連結売上高は前期比13.7%増加、前年同期比10.8%減少の5467億3000万台湾元(約2兆5300億円)だった。粗利益率は54.9%で、前期比0.2ポイント上昇した。営業利益率は41.7%で、前期比0.3ポイント低下した。純利益は前期比16.1%増、前年同期比24.9%減の2110億元で、同期として過去2番目の高水準だった。設備稼働率の上昇のほか、為替相場も理由だ。
製造プロセス別の販売額は、3ナノが6%、5ナノが37%、7ナノが16%で、7ナノ以降の先進プロセスは計59%を占めた。
最終製品別では、HPCが最大で、▽スマホ、39%、▽モノのインターネット(IoT)、9%、▽車載用、5%、▽消費者向け電子製品、2%、▽その他、3%──だった。
顧客の本社の所在地は、米国が69%、日本が6%で、▽中国、12%、▽アジア太平洋、8%、▽EMEA(欧州、中東、アフリカ)、5%──だった。
Q4も増収見通し
TSMCは第4四半期(10〜12月)の見通しについて、連結売上高は前期比8.8〜13.4%増の188億〜196億米ドルと予測した。粗利益率は51.3〜53.5%で、前期より下回ると予測した。
TSMCの黄仁昭・財務長(CFO=最高財務責任者)は、今年の設備投資は320億米ドルで据え置き、70%は先進プロセス、20%は特殊プロセス、10%はパッケージング(封止)に充てると説明した。
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