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メタン熱分解による水素発電成功、クリーンエネ促進(トップニュース)/台湾


ニュース 公益 作成日:2023年11月15日_記事番号:T00112220

メタン熱分解による水素発電成功、クリーンエネ促進(トップニュース)/台湾

 2050年までの温室効果ガスの排出量実質ゼロ(ネットゼロ)実現に向け、台湾電力(台電、TPC)と中央研究院(中研院)は14日、メタン熱分解により二酸化炭素(CO2)を排出せずに生成した水素を使用した、水素混焼式のマイクロガスタービン発電システムにより、電力を生み出すことに今年9月に初めて成功したと発表した。TPCは、メタンの熱分解で製造された水素を火力発電に使う天然ガスの5%に置き換えると、温室効果ガスの排出量を年間7000トン以上削減できると説明した。15日付中国時報などが報じた。

/date/2023/11/15/00tool_2.jpg水素発電機のモデルがTPCに展示された(14日=中央社)

 TPCと中研院は今年2月、CO2排出量削減とグリーンエネルギー関連技術の発展と応用についての協力覚書(MOU)を交わし、水素混焼発電や水素発電技術の共同開発に取り組んできた。

 TPCは、天然ガスに含まれるメタンを高温で、水素と固体炭素(カーボンブラックなど)に分解し、生成されたクリーンな水素で発電するとCO2は排出しないと説明した。分解した固体炭素は工業製品の原料として、販売できると説明した。

 中研院は、メタンの熱分解により生成された水素は、水電解で生成された水素と比べ、使用するエネルギーを7分の1に削減できるほか、発電所の中で発電に使えるため、水素の貯蔵や輸送のリスクを減らせるなどのメリットもある。

 中研院は、台湾の温室効果ガスの排出量の半分が発電で、うち30〜40%は天然ガス発電だと指摘した。メタン熱分解で製造された水素で、天然ガス発電の脱炭素化が進むと説明した。

/date/2023/11/15/00tsai_2.jpg蔡英文・総統は14日、グリーントランスフォーメーション(GX)関連政策や法規を整備し、台湾が地域の先頭に立つと語った(14日=中央社)

年末に実証試験へ

 TPCは年内にメタンの熱分解により生成された水素を、興達発電所(高雄市)の水素の混焼発電の実証試験でも使用する計画だ。

 TPCは、水素の供給が安定し、貯蔵や輸送の設備が整えば、天然ガスの5%を水素に置き換え、年間7000トンの温室効果ガス排出量を削減できると推測した。

 

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