ニュース 政治 作成日:2023年11月24日_記事番号:T00112394
2024年1月投開票の総統選挙に向け、野党連合で統一候補を立てる協議は決裂し、最大野党の国民党は24日午前、総統候補の侯友宜・新北市長(66歳)とペアを組む副総統候補は趙少康・元立法委員(73歳)と発表した。野党第2党の台湾民衆党は同日、主席の柯文哲・前台北市長(64歳)と副総統候補の呉欣盈(シンシア・ウー、45歳)立法委員が立候補を届け出た。民進党の総統候補の頼清徳・副総統(64歳)と立候補する副総統候補の蕭美琴・前駐米代表(52歳)は23日、海外メディア向け記者会見を開き、台湾海峡の平和と現状維持を望んでおり、対話こそが解決方法で、戦争は選択肢でないと強調した。24日付自由時報などが報じた。
国民党の総統選挙の公認候補の侯氏(左)は24日午前、副総統候補に趙氏(右)を指名し、握手を交わした(24日=中央社)
無所属で、鴻海精密工業創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏(73歳)は24日午後2時過ぎ、フェイスブック(FB)に、「退いても志は退かない。必ず勝とう!政権交代で台湾を変える」などと記した署名入りの文書を投稿した。副総統候補として立候補する予定だった頼佩霞氏(60歳)も、24年の総統選挙には出馬しないと投稿した。
総統選挙の立候補の締切はきょう24日午後5時半だった。
無所属の郭氏(左)は23日、国民党と台湾民衆党の野党連合の協議を支援するため、副総統候補の頼氏(60歳)とともに、台北市内のホテルに出向いた(23日=中央社)
侯氏をカバー
国民党の副総統候補の趙氏は、ラジオ局、中国広播(中広、BCC)董事長。立法委員や台北市議会議員、行政院環境保護署(環保署、現・環境部)署長などを歴任した。趙氏は外省人で、新党の結成メンバーの一人。口下手で本省人の侯氏とバランスを取ったとの見方もある。
台湾民衆党の総統選挙の公認候補の柯氏(右)と副総統候補の呉氏(左)は24日午前、立候補を届け出た(24日=中央社)
台湾民衆党の副総統候補、呉氏は、現職の立法委員。生命保険大手の新光人寿保険の副総経理などを歴任した。
中国と対話を
民進党の蕭氏は23日、海外メディア向け記者会見で、中国の習近平・国家主席が米国のバイデン大統領との首脳会談で、2027年または35年の台湾侵攻計画を否定したとされることについて、「本心であることを願う」と語った。
蕭氏は23日、ロナルドレーガン大統領がソ連との協議の中で度々引用したことわざ「Trust, But Verify」(信頼せよ、されど確認せよ)を挙げ、自身の実力を強化しなければ、台湾海峡の平和と安定を守れないと語った(23日=中央社)
中国当局から「台湾独立」を頑なに主張する「頑固な台湾独立(台独)分子」と2度名指しされたことについて頼氏は、自分自身だけでなく、民主や人権を支持する多くの仲間が名指しされており、これからも台湾の民主を守り続けると同時に、中国との対話にオープンな立場だと語った。
また蕭氏は、頼氏が7月に掲げた「和平四大支柱(Four-pillar plan for peace)」の▽抑止力の強化、▽経済の安全とレジリエンス(強靭性)、▽世界の民主国家とのパートナー関係構築、▽実務的な両岸(中台)関係──へのコミットメントを示した。
中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は先日、頼氏と蕭氏の総統選挙への立候補届け出について「台湾独立の組み合わせ」だと批判していた。
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