液晶パネル業界の景気低迷が続く中、友達光電(AUO)の陳来助総経理は29日、「不景気はおそらく来年末まで続く」と語り、「パネル産業は今後6期連続で赤字業績に直面する」と悲観的な見通しを示した。また同社の彭双浪執行副総経理も、「厳しい淘汰の波が押し寄せ、サプライチェーンの川上・川下で体質の良くない企業が撤退を迫られることになる」と指摘している。30日付工商時報が報じた。
陳総経理は、「パネル価格の下落が続いてコスト割れを起こせば、メーカーは現金流出の問題に直面する」と話し、「現在友達の生産ライン稼働率は60~70%まで落ちており、さらに50~60%に達するとみられるが、材料コストが捻出できなくなれば稼働を停止することになる」と危機感をあらわにする。
さらに彭執行副総経理は、「企業の淘汰が起き、サプラーチェーンにいったん断絶が生じれば、景気が回復してもすぐに生産能力を回復することは難しくなり、体質の良好な大手と中堅メーカーとの差はさらに広がる」と指摘した。
また、友達は先週の業績説明会で、来年の資本支出を「20~30%削減する」と表明したが、陳総経理は英語での説明会では「今年の水準を下回ることはない」と語っており、奇美電が来年の資本支出を半減させ、彩晶では凍結すると表明する中で、これを機にライバルとの差を広げたい考えだ。