統一企業(ユニプレジデント)と中国事業を担当する統一企業中国控股は第3四半期、共に本業利益が好調で、統一企業は前年同期比12.85%の伸びとなった。30日付経済日報は、汚染粉ミルク事件を受けて、消費者の間で大手ブランドを選ぶ動きが強まっていることを業績向上の一因として挙げている。特に中国では乳製品の地場ブランドが評価を落としており、台湾勢にとってはシェア拡大のチャンスが到来している。
統一企業の同期の本業利益は15億1,900万台湾元(約44億5,000万円)だった。1~9月では売上高389億4,900万元で前年同期比11.06%増、純利益は49億3,600万元で、昨年は株式を処分した業務外利益20億元があったため、前年同期比では34.32%の減益となった。
同社は乳製品の売上全体に占める割合が15%で、第3四半期は豆乳の売り上げが前年比で2割成長したほか、「瑞穂鮮乳」など高級乳製品の販売増も貢献した。
今年の四半期ごとの利益は、▽第1四半期、11億8,000万元▽第2四半期、18億元▽第3四半期、19億5,600億元──で、第3四半期は飲料と即席めんのハイシーズンを要因に伸び、また、中国・ベトナム事業の利益貢献度も高かった。
統一中国は売り上げの7割を占める飲料が好調で、第3四半期の利益は11億7,000万元、1~9月では前年同期比2倍以上の22億1,200万元と、大幅増益となった。
頂新、粉ミルク販売が倍増
頂新集団傘下で、売上高全体に占める乳製品の割合が45%の味全食品工業も、9月は台湾の乳製品事業の売り上げが前年同月比で4.6%伸びた。台湾で販売する粉ミルク原料はすべてニュージーランドおよびオーストラリアから輸入しており、汚染粉ミルク事件発生後1週間は、牛乳および粉ミルクの売り上げが5~10%の成長を見たという。
また、頂新集団は9月下旬、中国で展開している粉ミルクの販売量が倍増し、ヨーグルトも20%伸びた。同社は乳牛1,000頭を飼育している浙江省安吉牧場の規模を拡大するほか、台湾の酪農メカニズムを導入して品質とイメージの向上に努める。
中国では伊利や蒙牛、光明の大手3社を含む22社の製品からメラミンが検出されたことで地場ブランドへの不信感が高まっており、台湾大手ブランドは「敵失」による業績向上が期待できる。