台湾積体電路製造(TSMC)の蔡力行総執行長(CEO)は30日、今後の半導体業界は金融危機と世界的不景気の影響を受け、成長率が第4四半期はマイナス10%、来年はマイナス5~9%に及ぶという見方を示した。また、ファウンドリーはマイナス10%をさらに下回る恐れもあると述べた。31日付工商時報が伝えた。
同社の第3四半期の売上高は、前期比5.5%増、前年同期比4.5%増の929億8,000万台湾元(約2,777億円)で、四半期の売上高としては過去2番目に高かった。純利益は前期比6.3%増、前年同期比0.7%増の305億7,000億元だった。1~9月の売上高は前年比17.4%増の2,685億9,500万元、純利益は同17.1%増の874億8,700万元だった。
しかし、今後の業績については厳しい見方を示し、第4四半期は、顧客の受注が減少していることから、売上高で前期比23~25%減の690億~710億元という数値を挙げた。粗利益率と営業利益率も第3四半期から10%程度下げ、それぞれ34~36%、21~23%になるとした。来年の売り上げも今年に比べ減少すると見込んでいる。蔡総執行長は、「来年は業界全体が縮小し、電子製品製造の川上に位置するファウンドリーは、川下の景気の影響を強く受けるため、状況はより厳しい」との見方を示した。
外資系証券会社では、TSMCの第4四半期の生産能力利用率は67%まで下降し、利益は50%ほど減少して150億~155億元の間になるとみている。