ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

ナウル断交「民主主義への報復」、中国が金銭外交か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2024年1月16日_記事番号:T00113277

ナウル断交「民主主義への報復」、中国が金銭外交か【図表】(トップニュース)/台湾

 南太平洋の島国、ナウル共和国は15日、台湾と断交し、中国と国交を結ぶと発表した。民進党の蔡英文政権が2016年5月に発足して以来、断交は10カ国目で、台湾と外交関係がある国は12カ国となった。13日投開票の総統選挙で、民進党の頼清徳・副総統が当選したことに対する中国の圧力とみられている。外交部は15日、ナウルは、台湾に巨額の経済支援を要望し、中国と台湾の資金援助を比較して、中国を選んだと説明し、中国のやり方は「台湾の民主主義への報復」と批判した。16日付自由時報などが報じた。

/date/2024/01/16/00ten_2.jpg田・政務次長は15日、中国の動きを今後も注視すると語った(15日=中央社)

 外交部の田中光・政務次長は15日午後2時に臨時記者会見を開き、ナウルは「一つの中国」原則と、国際連合(国連)第2758号決議(アルバニア決議)を理由に台湾と断交すると発表しており、台湾は国家の主権と尊厳を守るため、ナウルと即日断交すると発表した。台湾とナウルの協力プロジェクトを中止し、在ナウル大使館を閉鎖する。ナウルに対し、在台湾大使館を撤収するよう求めた。

/date/2024/01/16/317gaikou_2.jpg

 アルバニア決議とは、1971年に国連でアルバニアなどが提案し、採択された中華人民共和国に中国の代表権を認め、中華民国を追放する内容の決議。

 ナウルのデイビッド・アデアン大統領は、頼・副総統の当選を受け、祝電を送り、新政権との協力関係に期待すると伝えたところだった。

経済援助を天秤に

 田・政務次長は、オーストラリアがナウル収容センター(RPC)を閉鎖したことなどから、ナウルは台湾と中国に経済援助を求め、台湾は最大の誠意でできる限りの支援の方法を提示したが、ナウルは中国を選んだと説明した。

 関係者によると、ナウル収容センターの赤字は26億台湾元(約120億円)に上り、ナウルの年度予算の半分以上に相当する。

 外交部は、ナウルは台湾の長年の協力関係を顧みず、中国の支援目当てで、中国と国交を樹立することは遺憾だと表明した。また、台湾の選挙に世界中が祝意を示す中、このような外交的圧力をかけることは、台湾の2350万人に対するいじめで、民主主義に対する報復だと批判した。

米AIT、ナウルの決定に失望

 中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華・報道官は15日、世界中に中国はただ一つで、台湾は中国の不可分の領土であることは歴史的事実で、国際社会の普遍的な共通認識だと語った。ナウルが中国との国交回復を決めたのは、「一つの中国」原則が主流である証で、ナウルと「一つの中国」原則を基礎に新しい章を始めたいとコメントした。

 一方、14日から台湾を訪問している米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のローラ・ローゼンバーガー理事長は15日、ナウルの決定に失望したと述べた。アルバニア決議は、台湾の国際的地位を定めておらず、台湾と外交関係を結ぶことや、台湾が国際社会に参加することを拒んでいないと強調した。また、米国は台湾との強固な関係を維持すると語った。 

 日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の片山和之台北事務所代表は15日フェイスブック(FB)に、日本と台湾は価値を共有する重要なパートナーで、われわれは常に台湾の側におり、日台の友好関係がいつまでも続くよう尽力すると投稿した。

 ナウルは1980年に台湾と外交関係を結んだが、2002年に台湾と断交し、中国と国交を結んだ。その後、05年5月に台湾と国交を回復していた。

 台湾と外交関係を有する国は12カ国となった。直近では2023年3月、中米のホンジュラスが台湾と断交した。ナウルの人口は1万2000人で、国土は21.2平方キロメートル、世界で3番目に小さい。

 

【セミナー情報です】
企画からプレゼンまで、3日間で、ワンストップで学べる、日系企業の台湾人向けプレゼン総合力向上セミナー。
検索は「1月、プレゼン総合力」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/111121.html