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作成日:2008年11月4日_記事番号:T00011333
味丹越工場に操業停止命令、調味料値上げへ
味丹企業集団(ベダン)傘下、うまみ調味料世界2位の味丹国際(ベダン・インターナショナル)がこのほど、ベトナム工場の汚水処理施設の不備で現地当局から操業停止命令を受け、アジア地域全体で調味料の供給不足が表面化している。既に過去2週間で取引価格は50%も上昇した。4日付経済日報が伝えた。
同社によると、ベトナム工場は来年1月から半年間の操業停止を命じられた。月産1万5,000トンのうまみ調味料の出荷がストップする。同社は台湾と中国の工場をフル稼働させて、市場への影響を緩和する方針だが、台湾工場は最大でも月産4,000トン増やせるに過ぎず、来年上半期までの3万トンの需要を満たせないと試算している。
台湾で販売されているうまみ調味料の原料は、ほぼ全量を味丹からの供給に依存しており、短期的に市場の混乱は避けられない見通しだ。台湾のうまみ調味料メーカー3社、味王、味全食品工業、味丹企業は早ければ今月末にも値上げに踏み切る。
味丹はまた、来年下半期からベトナム工場で一時減産態勢を取った上で、汚水処理施設の整備を進める方針で、供給不足が来年後半まで長期化する可能性も出てきた。東南アジアでの環境保護意識の高まりは、環境対策が後手に回った台湾企業に大きな試練となりそうだ。