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コンパルがM&Aに意欲、医療や車載向けなど数社【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年1月18日_記事番号:T00113332

コンパルがM&Aに意欲、医療や車載向けなど数社【図表】(トップニュース)/台湾

 ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の許勝雄・董事長は17日の旺年会(忘年会)で、今後2〜3年で2〜3社のM&A(合併・買収)を行うと宣言した。これまでの「開拓式」経営から「略奪式」経営に舵(かじ)を切ると説明した。翁宗斌・総経理は、▽車載用電子製品(カーエレクトロニクス)、▽第5世代移動通信(5G)、▽低軌道(LEO)衛星、▽医療──がターゲットで、売上高と利益の成長を加速させると語った。18日付経済日報などが報じた。

/date/2024/01/18/00compal_2.jpgコンパルは17日、テーブル800卓以上の規模の忘年会を開催し、許・董事長(中)、翁・総経理(左)らが出席した(17日=中央社)

 翁・総経理は、かつて受託生産メーカーの粗利益率は3〜4%台だったが、コンパルは既に抜け出したと語った。今年は売上高だけを追いかけず、利益拡大を目指すと表明した。

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 コンパルの2023年第1〜3四半期(1〜9月)の粗利益率は4.42%と4%を超え、22年通年の3.76%より改善した。23年通年の連結売上高は前年比11.79%減の9467億1500万台湾元(約4兆4400億円)だった。

AI搭載PC、5〜6月にも

 翁・総経理は、クラウドサーバーや車載向け電子製品、医療関連の今年の売上高目標は前年比10%以上の増加で、ノートパソコンは業界平均の3〜5%増加と同水準以上と語った。

 今年の重点はAI(人工知能)で、▽エヌビディア、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽インテル──のAIサーバーを出荷すると語った。

 AI機能搭載PCについては、マイクロソフト(MS)の認証取得後、5〜6月に発売が相次ぎ、PCの買い替えが進むと予想した。

欧州工場を検討

 翁・総経理は、米国、メキシコ工場に続き、地政学的リスクと顧客の要望を受け、欧州での工場設置を検討しており、下半期(7〜12月)に決定すると語った。

 医療事業では、新北市政府とのBOT(建設・運営・譲渡)契約で、今年、瑞芳病院に着工し、26年末に完成、27年に開業する予定だ。

24年景気、楽観できず

 許・董事長は、従来は3〜6月にインフレが緩和し、経済が上向くと予想していたが、中東の紅海で商船攻撃が発生するなど状況は落ち着かず、今年の世界経済のソフトランディング(軟着陸)は難しいとの見方を示した。

 今年は米国やロシア、インド、インドネシアなど50カ国で選挙が開催され、米中対立が拡大する可能性がある。許・董事長は、産業界も注目していると語った。

 

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