ニュース 電子 作成日:2024年1月19日_記事番号:T00113356
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は18日の業績説明会で、人工知能(AI)ブームで高性能計算(HPC)やスマートフォン用の需要が拡大しており、2024年の連結売上高は前年比21〜25%増加すると予測した。魏哲家・総裁は、先進2ナノメートル製造プロセス「N2」の需要が力強いため、高雄市で建設中の「Fab22」工場に、2ナノの第3基(P3)設置を検討していると明かした。19日付工商時報などが報じた。
魏・総裁(左)は、劉徳音(マーク・リュウ)董事長(右)が6月に退任後、董事長に就任する予定だ(18日=中央社)
TSMCは当初、高雄工場の全4基のうち2ナノは2基の計画だった。
高雄工場は22年に着工した。1基目(P1)は25年に量産を開始する予定だ。第2基(P2)の建設も許可された。
半導体業界関係者によると、高雄工場の投資額は合計2兆台湾元(約9兆4000億円)に上る見通しだ。
TSMCは、新竹科学園区(竹科)宝山用地(新竹県宝山郷)第2期区画でも2ナノ工場を計画しており、25年に量産を開始する計画だ。
台南で3ナノ工場、台中で新工場を進行中で、2ナノ以降の先進プロセスで生産するとみられている。
魏・総裁は、N2のバックサイド・パワーデリバリー(BSPD、裏面電源供給)版を25年下半期(7〜12月)にリリースし、26年から量産すると説明した。
CoWoS需要、数年続く
魏・総裁は、顧客の需要は非常に強く、先進パッケージング(封止)のチップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)生産能力を倍増する計画だが、25年まで供給不足が続くとの見方を示した。CoWoSと3次元(3D)パッケージングは今後数年の年平均成長率(CAGR)が50%と予測した。
TSMCのCoWoS生産能力は、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手のエヌビディアと、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の2社が押さえているため、他の顧客にも供給できるよう、拡大が必要なようだ。
24年設備投資、280億元も
魏・総裁は、今年は顧客の在庫水準が適正化し、メモリーを除く半導体市場は前年比10%成長、うちファウンドリーは20%成長すると予測した。
TSMCの24年連結売上高は前年比21〜25%増加する見通しで、AI向けHPC売上高は前年比50%増加すると予測した。27年までにAI向けの売上高構成比は17〜19%まで上昇すると予測した。
24年の設備投資額は280億〜320億米ドルの間と説明した。前年は米ドル換算で304億米ドルだった。
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