ニュース その他製造 作成日:2024年1月24日_記事番号:T00113434
「次世代の電池」といわれる全固体電池メーカー、輝能科技(プロロジウム・テクノロジー)は23日、桃園科技工業園区(桃科、桃園市観音区)で、世界初のリチウムセラミックバッテリー(LCB)を生産するギガファクトリーを稼働した。主に電気自動車(EV)向けで、当面の年産能力は0.5ギガワット時(GWh)。桃科工場を海外生産の実証工場とする。2030年の全固体電池市場でシェア35~45%を目指す。24日付経済日報などが報じた。
輝能科技の桃科工場(輝能科技リリースより)
全固体電池は、可燃性の電解液を使用しないため、現在主流のリチウムイオン電池(LIB)など液体電池に比べ、液漏れや発火のリスクが少なく、安全性が高い上、充電速度やエネルギー効率も高い。世界各国や自動車メーカー大手が研究開発(R&D)を進めているが、コスト面などの問題もあり、輝能科技以外は量産の段階に入っていない。
輝能科技の桃科工場の年産能力は、稼働当初は0.5GWhで、需要に応じて2GWhまで拡大し、最大でEV2万6000台分のバッテリーを提供する。桃園市観音区で雇用機会1200件を創出する見込みだ。
桃科工場は24年から、世界の自動車メーカー大手、主にアジアのメーカーに出荷する予定だ。
フランス工場、欧米向け27年出荷へ
輝能科技は昨年5月、フランス北部のダンケルクに、年産能力48GWhのギガファクトリーを建設すると発表していた。同社初の海外工場で、30年までに52億ユーロ(約8400億円)を投じる計画だ。
輝能科技は、進捗は順調で、27年に量産を開始できる見通しだと説明した。欧州や米国のEVメーカーに出荷する計画だ。
輝能科技は、桃科工場は海外生産の実証工場の位置付けで、台湾で技術検証や試験生産を行い、海外工場で量産すると説明した。輝能科技創業者の楊思枏・執行長は、北米に工場を設置する可能性もあると語った。
楊・執行長は、30~32年に全固体電池がリチウムイオン電池産業の7%に達すると予測し、輝能科技は全固体電池市場でシェア35~45%を目指すと語った。全固体電池のコストは28年に液体電池と同水準になると予測し、30~32年に輝能科技の全固体電池のコストを1キロワット時(kWh)当たり100米ドルまで下げたいと話した。
輝能科技は06年に設立した。桃科工場や仏ダンケルク工場のほか、稼働中の中壢工場(桃園市中壢区)がある。メルセデス・ベンツが主要株主だ。
トヨタ自動車と出光興産は昨年10月、2027~28年の全固体電池実用化、その後の本格量産を目指すと発表した。全固体電池を搭載したEVを量産、納車する計画だ。
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