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TSMCの1ナノ、高雄市の楠梓産業園区に工場か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年1月29日_記事番号:T00113508

TSMCの1ナノ、高雄市の楠梓産業園区に工場か【図表】(トップニュース)/台湾

 情報筋によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の1ナノメートル製造プロセスの工場は、高雄市楠梓区の楠梓産業園区に設置する可能性が高い。最近、南部科学園区(南科)嘉義園区(嘉義県太保市)に建設するとのうわさが浮上していたが、用地が不十分とみられる一方、楠梓産業園区なら、交通の便が良く、工場用地に余裕があるためだ。29日付工商時報が報じた。

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 消息筋は、TSMCは当初、楠梓産業園区で2ナノ工場を3基建設する計画だったが、3基目(P3)は2ナノにするか、2ナノ以降の1.4ナノにするか最終決定しておらず、海外展開の戦略や半導体需要で決めると指摘した。

 TSMCの高雄工場は22年に着工しており、1基目(P1)は25年に量産を開始する予定で、2基目(P2)も建設許可を取得した。楠梓産業園区は、既に2ナノ工場を建設中で、高雄市都市交通システム(MRT)駅に近くて交通の便が良く、1ナノの最優先候補の条件を備えている。

 消息筋によると、先進プロセス工場は1基当たり敷地面積が約25~35ヘクタール必要で、楠梓産業園区なら5基建設できる。業界関係者は、TSMCが高雄市で先進プロセス工場を5基建設することになれば、投資額は4兆台湾元(約19兆円)に上ると予想した。

 消息筋によると、先進プロセス工場は他に、▽中部科学園区(中科)台中園区の第2期拡張区画、4基、▽新竹科学園区(竹科)宝山用地(新竹県宝山郷)第2期区画、2基──でも建設が可能だ。仮に製造プロセス1世代ごとに、工場6基を建設するとすれば、1.4ナノ工場を中科台中園区の第2期拡張区画に4基設置する場合、近くの竹科宝山用地第2期区画に残り2基を設置すると考えられる。

嘉義県は先進封止工場か

 TSMCの1ナノ工場は、南科嘉義園区に建設するとのうわさが浮上していたが、消息筋は、先進パッケージング(封止)のチップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)工場を建設する可能性の方が高いと指摘した。

 消息筋は、嘉義園区の用地は80ヘクタールしかなく、半分の40ヘクタールを先進パッケージング工場に充てると、先進プロセス工場を建設する余裕はないと指摘した。仮に嘉義園区の拡張計画があれば、可能性はあるが、国家科学技術委員会(国科会、NSTC)の呉政忠・主任委員も南科管理局の蘇振綱・局長も、嘉義園区は昨年着工したばかりで、拡張計画はないと語った。

熊本第2工場、2月6日発表か

 熊本日日新聞によると、坂本哲志農林水産大臣(農相)は28日、TSMCは熊本第1工場と同じ菊陽町に第2工場を建設すると述べた。2月6日に発表するもよう。第2工場は7~16ナノプロセスを採用する予定で、投資額は2兆円とみられている。

 TSMCは2月24日に熊本第1工場の開所式を開催する予定だ。

 TSMCは28日、市場のうわさについてはノーコメントで、新しい情報があれば発表すると説明した。

 

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