中台公式協議出席のため台湾を訪問中の、中国の陳雲林・海峡両岸関係協会(海協会)会長は4日夜、連戦・国民党名誉主席が主催したパーティーに招かれ、国賓大飯店(アンバサダー・ホテル)を訪れた。和やかな雰囲気で宴会が催されるホテル内とは対照的に、外では抗議に集まった群衆約600人と警備に当たっていた警察約1,000人が衝突し、少なからぬ負傷者が出た。抗議に集まった群衆からは「どうして台湾人が台湾人を殴れるのか」と非難する声が上がった。5日付蘋果日報が報じた。
今回は警察官による「過剰警備」が問題視されている。「まるで人民解放軍の別動隊」という皮肉も聞かれる(4日=中央社)
陳会長が国賓大飯店に到着する前、本土派の評論家、黄越綏氏が中華民国の青天白日満地紅旗をまとって「コーヒーを飲みに」同ホテルの中に入ろうとしたが、阻止しようとする警官ともみ合いになり、その場に昏倒して救急車で病院に運ばれた。その後警察は、抗議のためにホテルに集まっていた100人近くの群衆も排除しようとしたが激しい抵抗に合い、陳会長が到着した際には50人近くがのぼりや風船を上げて抗議した。
この騒動をテレビで見ていた人々が続々と「応援」に駆けつけ、夜8時ごろ抗議の群衆は約600人に達した。警察が緊急に暴動鎮圧部隊を出動させ、群衆をホテルから160メートル離れた地点まで排除すると、近くのレコード店「上揚唱片」から台湾語の歌謡曲が流れ始め、これに合わせて群衆が「台湾中国、一辺一国(台湾と中国は別々の国)」と叫び始めた。警察がレコード店に店を閉めるよう要求したため、再び群衆との衝突が起きた。
9時ごろパーティーを終えた陳会長は無事にホテルを後にしたが、抗議の群衆と警察の小競り合いは10時ごろまで続いた。