台湾を訪問中の中国・海峡両岸関係協会(海協会)の陳雲林会長は5日夜、呉伯雄国民党主席が主催したパーティーに出席したが、会場となった台北市中山北路の台北晶華酒店(グランド・フォルモサ・リージェント・タイペイ)は抗議の群衆に取り囲まれ、陳会長は宴席が終わってもホテルを離れられず閉じ込められた。ホテルの外では警官と群衆のもみ合いが長時間続き、陳会長がホテルを離れた時は深夜2時を過ぎていた。6日付自由時報が報じた。
午後6時35分、陳会長がホテルに到着すると、集まった400~500人の群衆から一斉にラッパが吹き鳴らされ、「台湾中国、一辺一国(台湾と中国は別々の国)」の掛け声が上がった。ホテルの周囲には1,000人近くの警官が動員されて3重の壁を作り、これを強行突破して中に入ろうとする群衆との衝突が至る所で起き、けが人も数多く出た。
6時50分、民進党の蔡英文主席が現場に到着して歓声が上がったが、その後「女性が私服警官に殴られた」という情報が伝わり、さらに蔡主席がホテル内に入ろうとしたため、再度大規模な衝突が発生し、現場は混乱を極めた。
民進党の蔡主席は「こんなに多くの人が抗議しているのに、民間のホテルにさえ入れないのか。これで自由民主の国家と言えるのか」と憤慨した。(中央社=6日)
宴席は9時ごろ終わったが、陳会長はホテルから出られず約5時間閉じ込められた。警察側は陳会長に、別の出口から出るよう進言したが、陳会長は「入ってきたところから出て行く」と言い張ったという。
今回の衝突に対し馬英九総統は6日午前会見を開き、「意見の表明は自由だが、一切は平和的な手段で行われるべき」と蔡主席を名指しして非難した。