ニュース 電子 作成日:2024年2月26日_記事番号:T00113913
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は24日、熊本県の第1工場の開所式を開催した。日本で初めての工場だ。TSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏は式典で、日本の半導体ルネサンス(再興)の始まりで、世界の半導体サプライチェーン(供給網)の強靭性(きょうじんせい、レジリエンス)を高め、AI(人工知能)時代の半導体需要に応えると語った。岸田文雄首相はビデオメッセージを寄せ、「第2工場も支援を決定した」と述べた。25日付経済日報などが報じた。
TSMCの熊本工場開所式は、張氏(前右3)や劉・董事長(前右2)、魏・総裁(前右1)、齋藤経済産業大臣(左2)らが出席し、半導体について意見交換した(24日=中央社)
第1工場の開所式は、TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)董事長、魏哲家(シーシー・ウェイ)副董事長兼総裁が執り行い、工場運営の子会社、ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング(JASM)に出資したソニーグループの吉田憲一郎会長CEO(最高経営責任者)やデンソーの林新之助代表取締役社長、トヨタ自動車の豊田章男会長をはじめ、関係者ら約400人が出席した。
張氏は24日、AIブームで半導体需要が拡大し、数年後にはファウンドリー工場が3~5基、多ければ10基必要になるとの見方を示した(24日=中央社)
劉・董事長は、日本政府の強力な支援と、合弁パートナーのソニーグループやデンソーのノウハウ共有に謝意を示し、新しく加わるトヨタが成長をもたらすと述べた。劉・董事長は、JASMはTSMCの環境保護やコーポレート・ガバナンス(企業統治)の理念の下、現地調達でサプライチェーン(供給網)を構築し、グリーン半導体の製造工程を実施し、再生可能エネルギーを100%採用すると表明した。
ソニーグループの吉田会長は、3年前にTSMCと半導体調達の契約について協議しようとしたところ、魏・総裁からファウンドリー工場を共同で設立する話を持ち掛けられたと明かした。ソニーはJASMに社員200人が出向しており、ロジック半導体生産の経験となると語った。聯合報によると、JASMで働くTSMCの従業員は現在1300人で、年末まで増員する予定だ。台湾人は300人を占める。
デンソーの林社長は、JASMの量産で、自動車の電動化やスマート化が加速すると語った。
台湾の経済政策の策定などを担う国家発展委員会(国発会)の龔明鑫・主任委員は、TSMCの熊本工場は数年かかると予想されていが、わずか1年8カ月で完成にこぎ着けたと語った。日本の半導体材料と設備分野の世界市場シェアはかなり高く、日本の顧客との関係が緊密になると指摘した。
熊本第2工場、補助金7320億円
日本の齋藤健経済産業大臣は式典の後、TSMCが熊本県に建設する第2工場に最大7320億円支援すると表明した。第1工場の最大4760億円と合わせ、補助金の総額は最大1兆2000億円以上となる。
熊本第1工場は今年第4四半期(10~12月)に月産能力5万5000枚(12インチウエハー換算)で量産を開始する予定だ。第2工場は年末に着工、2027年末に稼働する予定だ。
第1工場と第2工場を合わせて、月産能力は10万枚以上(12インチウエハー換算)になる予定だ。自動車、産業、民生、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)用途向けに40ナノメートル、22/28ナノメートル、12/16ナノメートル製造プロセスのほか、先進6/7ナノプロセスで生産する。雇用機会3400件以上を創出する予定だ。
JASMの出資比率は、▽TSMC、86.5%、▽ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)、6.0%、▽デンソー、5.5%、▽トヨタ、2.0%──となる。トヨタはデンソーに20%出資しており、トヨタグループ2社の出資比率は8.0%となる。
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