発光ダイオード(LED)やWiMAX(ブロード無線通信技術)などの先行技術について検査や認証の中台共通の標準確立を目指すことが、5日開かれた中台公式会議の「両岸工商・航運座談会」で初期的な合意を得た。台湾には先端技術、中国には巨大市場の強みがあり、実現すれば特定の産業や技術で世界市場をリードできる可能性がある。6日付工商時報などが報じた。
工商・航運座談会。中台間で技術の標準化が実現すれば、ハイテク業界での協力に拍車が掛かりそうだ
(5日=中央社)
座談会では経済部標準検験局の黄来和副局長が、中台による先行技術標準の国際化推進に向けて共通の検査・認証メカニズムを確立すべく、5つの作業グループを設置した上で、年に最低1~2回の会議を行うことを提案。これに対し中国・海峡両岸関係協会(海協会)の鄭立中副会長が、「非常に重要な協力項目で、専門家が詳細な討議を進めるべきだ」と賛意を示した。このため、同テーマは、来年開かれる次回の中台公式協議で取り上げられる可能性が高くなった。
行政院は中台間の産業提携プロジェクトである「両岸搭橋専案(中台架け橋プロジェクト)」を年末から始動させることを決定しているが、陳介山・経済部標準検験局長は、先行技術の標準化もこれに組み込みたいという考えを示した。同局によると、LEDもWiMAXも国際標準規格は制定されておらず、中台の標準規格ができれば国際標準規格を主導でき、従来は台湾が海外メーカーに権利金を支払うケースが多かったが、逆に権利金収入を得ることが期待できる。
陳会長「日本を追い抜く」
ある経済部官僚によると、中台間の技術標準化は陳雲林・海協会会長自身が大変重視しており、台湾が得意とする先行技術について、「国際標準規格の主導に協力したい」と語ったという。陳会長は5日新竹科学工業園区(竹科)に華晶科技(アルテック)を見学に訪れた際のあいさつで、「最も好きな言葉は『日本を超えて世界一になる』だ」と話しており、「大中華で日本を追い抜きたい」という中華ナショナリズムが根底にありそうだ。
メーカーは歓迎
先行技術の中台間の標準規格化計画に対し、LEDチップの晶元光電(エピスター)は「両岸(中台)LED産業にとってプラスだ」と評価。LEDパッケージングの億光電子(エバーライト・エレクトロニクス)は、「最初に標準規格が制定されるのは照明分野だろう。現状は光学、照明、輝度、色温度など各種規格がメーカーによってまちまちなため、生産コストが高くなる傾向がある。統一規格は歓迎だ」とコメントした。